Practice Report 練習場レポート

[998号]エルゴラ掲載コラム:内田篤人、日本人初のCL4強へ。静かに燃やす闘志/ 了戒美子

2011/4/14 7:00 0

 さわやかなルックスからなのか、クレバーなプレースタイルからなのか。それともすぐに「こだわらない」、「普通」などという言葉を使うからなのか。どうも、“淡々としたヤツ”だという誤解を与えがちだが、内田は相当に勝負にこだわるタイプの選手だ。

 口調は確かに淡々としている。だが、仮に同じ言葉を本田圭佑(ともすればビッグマウスと言われがちなタイプである)が話せば、相当強い印象を与えるだろう。内田はボルフスブルク戦後、4強進出が見えて来たCLと比較して、リーグ戦へのモチベーションをたずねられた。そして、こんな答え方をしている。「負けていいという感覚というのがまったくない。やるからには勝ちたいし、一つも負けたくない。それはCLでもリーグ戦でも一緒。このチームで優勝争いをしたいしできると思う。やったら負けたくねーってだけ」

 連勝中ということもあり、チーム状態は良好。ラングニック新監督就任後、「チームメートはこんなに笑ったり、ジョークを言ったりできる人たちなんだと思った」とチームの変化を感じている。そんな様子からは以前から口にする「チームみんなで勝ちたい」という気持ちがヒシヒシと伝わってきた。ただ、“日本人初のCL4強進出”については意識していないようで「いや、そのうちみんなもこのくらいまで来るでしょ。チームとして来たわけで、(日本人云々を)意識したことはない」とあっさり日本人記者の質問をかわした。

 そうは言っても、日本人がいまだ到達したことのないCL4強へ、一番近い位置にいることに間違いない。そして日本が、その点に関して注視するのもまた当然のことだろう。注目の一戦、内田はいつもどおり、静かに勝負にこだわる。

(提供元:サッカー専門紙EL GOLAZO)


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