Practice Report 練習場レポート

[大学サッカー]全日本大学選抜vs.U-22日本代表、大学選抜の“打倒五輪代表候補”へのモチベーションは高かった / メールマガジン事務局

2011/4/18 18:04 0

大学サッカーメルマガVol.42を配信しました。
今回の大学サッカーメルマガは、練習試合として行われた全日本大学選抜vs.U-22日本代表・詳細レポートを掲載しています。

【予告】次号Vol.43は、『駒澤大学レポート』第三回「林堂眞選手インタビュー」を掲載予定です。


以下、Vol.42より一部抜粋を転載します。

★全日本大学選抜 vs. U-22代表・詳細レポート

 同年代代表との初の練習試合。しかもU-22代表には、全日本大学選抜メンバーでもある山村和也や比嘉祐介もいる。また大学選抜の増田卓也、富山貴光は昨年のアジア大会に参加するなど、どちらのチームも重複しているメンバーが少なくないだけに、大学選抜の“打倒五輪代表候補”へのモチベーションは高かった。



 しかしキックオフ直後の展開については、そのモチベーションの高さが固さにつながったのかもしれない。ボランチの米本拓司を中心に、両サイドの清武弘嗣、原口元気を中心に攻撃を仕掛けるU-22に対し、大学選抜は中盤での対応に苦戦。それでも、10分を越えるころには左SB・岩上祐三の攻め上がりから、赤崎秀平や河井陽介らが何度かチャンスを作るが、どれも単発の攻撃に終わり、なかなか自分たちのリズムを作ることができない。「今から攻めるぞ、というときにボールを失っていたから、ラインがズルズルと下がってしまっていた」(GK増田)のも、ひとつの原因だろう。

 そんな状況を打破すべく、中野雄二監督は27分に早くも一人目の交代を指示。「あまりに調子が悪くて、本当はもっと前に替えたかった」という中盤の河本明人を「怪我あがりだから、少し大事に使いたかった」という八反田康平に代える。この起用が的中し、大学選抜の中盤は活性化。29分には八反田から河井陽介とつないで瀬沼優司がシュート。また33分にも瀬沼からのボールを受けた右SBの大岩一貴がシュートを狙うなど、中盤から1トップの瀬沼への速い攻撃と、サイドと裏のスペースを使うという大学選抜らしい展開が何度か見られるようになった。もちろん、U-22も1トップの大津祐樹や宇佐美貴史が何度となくゴールに迫っていたが、チャンスは五分と五分。だが両チームともに決定機を決めきれず、結局は0-0のまま前半を終了する。



 後半に入るとU-22は全選手を交代。大学選抜はセンターバックの谷口彰悟に代えて林堂眞、1トップの瀬沼に代えて富山貴光、ボランチの中里崇宏に代えて佐々木翔を投入する。後半立ち上がり、U-22が多くの選手を替えたことで、大学選抜には若干の混乱があった。そしてU-22はそのチャンスを逃さなかった。54分、水沼宏太の右CKをDFが弾いたボールを、前線に上がっていた實藤友紀が、前に倒れこむようなアクロバティックな体勢のまま、右足のヒールで押し込んで先制点をゲット。「まさかあの体勢でくると思わなかった」(GK増田)という油断があったことは確かだが、「ボールをひとつクリアーしたところで、ほかの選手がつっ立っている状態になってしまっていた」(中野監督)。



メルマガ本文に続く)

★試合後コメント(※抜粋)

■中野雄二監督


 大学選抜の選手に(U-22代表に)勝ちたいという気持ちはあったが、約半分の選手は(相手に)のまれてしまっていた。残り半分の選手についても、自分たちがこれまで何をやってきて、何をやるべきなのかボケたまま。具体的に何をすべきか、まったくできていなかった。個々の体の強さなどでは対応できても、判断力の部分で劣っていた。自分の持ち味を出せたのは河井くらい。八反田も、ちょこちょこといいところを出せていたが、彼のポテンシャルからしたらまだまだといったところ。


 ただ、全体的に見れば両チームとも山場のない試合だった。0-2で負けたのに大きなことはいえないが、両チームとも若いチームなのに勢いがない。まったりしすぎていた。内容的には0-0の試合だったのではないかと思う。



■岩上祐三(DF・東海大)


 自分が攻め上がったとき、前を向いてドリブルなり切り返してシュートまで持っていけた部分では、自分のプレーも通用したと感じた。逆にディフェンスのしかたや体の入れ方では、プロのやり方を学んできたU-22のほうがうまかったと思う。


 90分戦ってみて、攻め上がってシュートを決めるだけというところまでは通用したと思う。一方で、センタリングやパスの正確性はもっと改善しなければならないと思った。代表相手でも同じ世代なら十分戦えるという手応えはあったので、自信を持っていきたいと思う。



■河井陽介(MF・慶應義塾大)



 前半は立ち上がりでちょっと慌てたが、普通にやれるなという感じだった。もっとチャンスは作れると思ったが、後半セットプレーから失点して、そこから相手も組織をしっかりと作ってきた。セットプレーからの失点で難しい試合になってしまったな、という感じがする。U-22は後半のほうがじゃっかん手荒(笑)だったが、先制点を取ってから精神的に楽になったのか、守備がしっかりしてきた。逆に大学選抜のほうが、動きが止まってしまったと思う。


 個人的には、FWの1トップの選手と近い距離でプレーしないと。そこが反省点。相手のマークにつきながらでも、ボールを取ったあとにもう少し前に出ていかなければならなかったと思う。それができなかったから、富山が孤立してしまった。もっとサポートに行って展開しないと……。後半はそれで行き詰ってしまったのかな、という印象が残った。



■山村和也(U-22代表・流通経済大)


 今回は合宿前に怪我をして3日間別メニュー。試合にも出られなかったが、怪我したまま出て自分のプレーができないよりはそっちのほうがいいかな、と思った。でも正直、今日の試合には出たかった(笑)。大学選抜との対戦は複雑な気持ちだったが、一応チームとしてはU-22のメンバーとしてベンチにいたので、勝ってホっとした(笑)。


 大学選抜の攻撃については、ちょっとロングボールが多いかな、と思った。本来ならつなげるところでもロングボールで展開して、U-22のボールになってしまうことが多かった。だから自分が大学選抜に戻ったときは、そういう部分を気を付けないと。逆に、守ってから攻撃に入ったときにカウンターのスピードは十分通用していたし、しっかりシュートで終われていたのはよかったと思う。シュートが決められていたら、(大学選抜が)勝てるチャンスはあったと思う。


(以下、メルマガ本文に続く)


※前号で掲載できなかった、前日練習・紅白戦後の選手コメント(抜粋・以下の3選手)をこちらのページに掲載しました。あわせて御覧ください。
掲載選手
■阿部浩之(MF・関西学院大)
■八反田康平(MF・筑波大)
■櫻内渚(DF・関西大)



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の3号分をお送りします。)

こちらのページからどうぞ。

(提供元:サッカー専門紙EL GOLAZO/BLOGOLA)


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