Feature 特集

日本代表 DF 酒井宏樹インタビュー「自分の力以上を出してチームに貢献したい」

2014/6/3 17:00



大柄な外国籍選手にも引けをとらない恵まれた体格に加えて、スピードがあり、高速クロスという武器も大きな魅力。これまでの日本人SBの概念を超えるプレースタイルで、日本代表に定着したのが酒井宏樹だ。ドイツでもポジションを確保した24歳は、ブラジルW杯でも光り輝くか。「とにかく、クレバー。1対1にも相当強い」という内田篤人とのポジション争いが続くいま、大舞台を目前に控えた彼の思いを聞いた。

取材日/5月15日 聞き手/田中 直希 写真/徳丸 篤史

絶対に選ばれないといけなかった

――W杯の代表に選出されて、みんなに「おめでとう」と言われると思います。

酒井 僕のキャラじゃないですよね。変な感じはします。うれしいのは確かですが、まだそこまでではないのにな、と。選ばれることは名誉ですが、いまはただ選ばれただけとも言えます。まだ何も達成していないですから。

――どこで代表選出を知りましたか。

酒井 ドイツの空港です。会見が始まったときは、ちょうど空港に着いてチェックインをしていました。ザックさん(アルベルト・ザッケローニ監督)と原さん(原博実技術委員長)のスピーチがあって助かりました。聞きそびれてしまうところだったので(笑)。それから親に電話をして、スピーカーにしてもらってTVからの声を電話口で聞いていました。

――実際に自分の名前を聞いて、どんな感情になりましたか。

酒井 絶対に選ばれなければいけなかったと感じています。発表までの2週間で、『選ばれたい』とさらに強く思うようになりました。僕としては、今シーズンは(クラブや代表でのパフォーマンスを)やり切ったと感じていたので、以前は選ばれても選ばれなくても後悔はないと思っていました。それが、その日が近付くにつれて思いが変わってきました。(ハノーファーの)監督と話しているうちに、『選ばれなかったらエラいことになるな』って(笑)。

 実は、『W杯のために休んだほうがいい』と監督に言われて、シーズン最後の2試合は欠場したんです(右ひざに炎症が出ていたため)。代表ではいつも先発で出ているわけではないのに、そうやって周りの方からも気遣ってもらっている…。これは、選ばれなかったら大変なことになるなって(笑)。

――日本に帰国してから、その足で柏のクラブハウスに行ったんですよね。

酒井 シーズン中ですし、迷惑をかけてはいけないと思って、選手がいなくなる時間を狙って行きました。19時くらいですかね。スタッフの皆さんには会いました。みんな、以前と変わらず接してくれたんです。ただ、井原さん(井原正巳ヘッドコーチ)とネルシーニョ監督はもういなかったんですよね。

 井原さんなんて、発表の前からメールをたくさんくれていて、『必ず柏に寄れよ』と言ってくれていた。『明日、行きます!』と連絡していたんですが…帰っちゃっていました(笑)。布さん(布部陽功コーチ)に聞いたら、『ああ、さっさと帰ったよ』って。『はやっ!』って思いました。そのへんも、相変わらずでした。そういう感覚が変わらないから、柏には帰りやすいんですね・・・

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