14日の初戦・コートジボワール戦(レシフェ)で黒星発進を強いられ、19日の第2戦・ギリシャ戦(ナタル)も攻めあぐねて勝ち点2を逃し、2試合終わってまさかの勝ち点1にとどまっている日本代表。24日のコロンビアとの最終決戦で引き分け以下なら、即座に1次リーグ敗退が決まる。仮に勝っても、コートジボワールがギリシャの結果次第では敗退という厳しい条件の中、酷暑の地・クイアバでのラストマッチに挑まなければならなかった。
当日のクイアバは朝から快晴に恵まれ、グングン気温が上昇。キックオフの16時は30度の大台に達した。アレナ・パンタナルはやや空席が見られたものの、隣国・コロンビアから訪れたサポーターの比率が非常に高く、完全なアウェームードが漂った。国歌斉唱時のは迫力は凄まじいものがあった。内田篤人(シャルケ)は「追い込まれた方が燃える」と語っていただけに、その逆境をエネルギーにしてほしかった。
注目の日本のスタメンは、GK川島永嗣(リエージュ)、DF(右から)内田、吉田麻也(サウサンプトン)、今野泰幸(G大阪)、長友佑都(インテル)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)・青山敏弘(広島)、2列目右に大久保嘉人(川崎)、左に香川真司(マンU)、トップ下・本田圭佑(ミラン)、1トップ・岡崎慎司(マインツ)の4-2-3-1。ザッケローニ監督は予想通り、タテへのスピードを高めるため、青山をボランチに先発起用してきた。彼がラッキーボーイになれるか否か。そこが非常に大きな注目点だった。
対するコロンビアのペケルマン監督は、コートジボワール戦から8人ものメンバー入れ替えに踏み切った。それでも攻撃の軸をなすキンテーロとマルチィネス(ともにポルト)、クアドラード(フィオレンティーナ)らは健在で、今季ブンデスリーガで岡崎を上回る16ゴールを挙げたアドリアン・ラモス(ヘルタ)も今大会初先発。4-3-3の攻撃的布陣を採る彼らの破壊力は侮れなかった。
立ち上がりの日本は相手のハイレベルな個人技とスピードやキレにやや戸惑い、主導権を握られた。初戦のように香川や岡崎が自陣に押し込まれる場面も見られ、不安な出足を強いられた。しかし大久保の思い切りのいいシュートや前線へ飛び込む姿勢に勇気づけられたこともあり、10分も経たないうちに自分たちのリズムを取り戻し、主導権を握り始め内田や長谷部も積極的にミドルを放つなど、今回はゴールが生まれそうな予感が漂った。
しかし16分、老獪なコロンビアは一瞬のスキを突いてカウンターを繰り出す。左サイドに開いたメヒア(アトレチコ・ナシオナル)のタテパスに反応したアドリアン・ラモスがペナルティエリア内に侵入。これを今野が後ろからタックルに行ったプレーをファウルと見なされ、まさかのPKを献上してしまう。これをクアドラードが確実に決めて、コロンビアが先制。日本は後がない一戦でビハインドを背負うことになってしまった…