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代表国際親善試合
9/9(火) 19:20 @ 横浜国

日本
2
0 前半 0
2 後半 2
試合終了
2
ベネズエラ

Report マッチレポート

武藤、柴崎がゴール奪うも、アギーレ体制初勝利はお預け

2014/9/9 21:11 5

 ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表の初陣となった5日のウルグアイ戦(札幌)は0-2で完敗。4-3-3の新布陣も完成には程遠い内容だった。そこから3日間のトレーニングを経て、チームがどこまで前進を見せ、勝利という結果を手にできるか。そこが9日のベネズエラ戦(横浜)の最大の注目点だった。

「選手全員を見たい。(スタメン)5人変わる」と前日会見で明言した通り、新指揮官はウルグアイ戦からフィールドプレーヤー5人を入れ替えてきた。

 この日の先発は、GK川島永嗣(リエージュ)、DF(右から)酒井高徳(シュツットガルト)、水本裕貴(広島)、吉田麻也(サウサンプトン)、長友佑都(インテル)、アンカーに森重真人(FC東京)、右インサイドハーフ(攻撃的MF)に細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、左に柴崎岳(鹿島)、3トップの右に本田圭佑(ミラン)、左に柿谷曜一朗(バーゼル)、中央に大迫勇也(ケルン)の4-3-3。7日の公開練習で主力組に入っていたメンバーがそのままピッチに立つことになった。キャプテンマークは今回も本田が巻いた。対するベネズエラは4-4-2。FWサロモン・ロンドン(ゼニト)、MFリンコン(ジェノア)ら要注意プレーヤーだった。

 ベネズエラはウルグアイに比べて力は劣ると見られるだけに、日本の攻撃チャンスが増えると予想されたこの試合。開始早々にはいきなり相手からボールを奪い、柿谷が中央をドリブルで持ち上がって本田が強烈シュート。得点の予感を感じさせる幸先のいいスタートを切ったかに見えた。

 が、ベネズエラも抜け目のなさとしたたかさを随所に感じさせる。前半3分にはFKからDFビスカロンド(ナント)がいきなりドフリーでヘッドを放ち、11分にも中盤のロサレスが強烈ミドルを打ってくる。守護神・川島の鋭い反応で何とか防いだが、彼らの前線の迫力とシュートの精度は明らかに日本を上回っていた。

 最初の約20分間は4-3-3のブロックを作った守備と長めのボールを多用する攻撃という基本コンセプトに固執していた日本。けれども、前線の大迫のところでなかなか収まらず、チーム全体が押し上げられない時間帯が続く。ビルドアップしようにも前線の人数が足りないため、どうしても迫力ある攻めを見せられない。日本にとっては苦しい展開が続いた。

 それでも前半38分、ようやくアギーレ監督が意図するカウンターから決定機が生まれる。柴崎→大迫→森重とつながり、左から柿谷が前線へ。背番号11をつける点取屋はGKと1対1になったが、相手のナイスセーブに防がれる。この1分後にも本田→柴崎とつながって柿谷がシュートを放つが、これもGKに止められてしまった。スイス移籍で一回り成長した姿を見せたかった彼だが、惜しいチャンスを決めきれなかった。

 この時間帯は日本ペースになりつつあったが、結局ゴールを奪えない。前半ラストの時間帯には相手に2度3度のビッグチャンスを作られるなど、厳しい印象が拭えないまま、前半を0-0で折り返すことになった。

 2試合連続ノーゴールでアギーレ体制の初陣を終わるわけにはいかない。日本は後半、何としても得点をもぎ取る必要があった。指揮官は後半開始時に柿谷と大迫を下げ、武藤嘉紀(FC東京)と岡崎慎司(マインツ)を投入。武藤が3トップの左、岡崎が真ん中に入った。

 その交代がすぐに結果に表れる。後半6分、水本からのロングボールを岡崎とDFが競り合い、そのこぼれ球に反応した武藤が凄まじいスピードで持ち上がり、ペナルティエリア外側から左足を一閃。豪快にゴールネットを揺らしたのだ。ウルグアイ戦でも左ポストに当てるシュートをお見舞いした若武者がアギーレ体制初ゴールをゲット。新指揮官も派手なガッツポーズで喜びを爆発させた。

 その後も岡崎がうまくターゲットになって武藤や本田が近い距離でプレーするなど、日本の攻撃リズムはかなり改善された印象だった。しかし後半12分、水本のクリアミスからカウンターを受け、2対1の状況を作られてしまう。吉田はギリギリまで粘ったが、戻ってきた水本が右MFゲラ(ナシオナル・メデリン)を倒し、PKを献上してしまう。これをFWマリオ・ロンドン(ナシオナル)に決められ、瞬く間に1-1に追い付かれた。

 それでも日本の攻撃姿勢はとどまらず、選手たちは果敢にゴールを奪いに行った。それが結実したのが後半22分だった。柴崎と武藤のパス交換から岡崎へとつながり、岡崎が左サイドから鋭いクロスを中央へ送った。ここに飛び込んだのが柴崎。この日初キャップを飾った期待の司令塔が右足を振りぬき、日本は再びリードを奪った。

 これで勝利に大きく近づいたと思われたが、日本は26分、左サイドバックのシチエロ(ミネロス・デ・グアヤナ)の意表をつくシュートを川島がまさかのキャッチミス。そのままゴールを割ってしまい、信じがたいミスから2点目を与える。川島はその後も不安定さを露呈し、今後への不安を感じさせた。

 勝利に強くこだわるアギーレ監督は、残り15分のところで細貝に代えて田中順也(スポルティング)を投入。攻めの姿勢を一段と鮮明にした。だが相手も次々と交代カードを切ってフレッシュな選手を入れてきて、日本は押し込まれる状況を強いられるが、アギーレ監督はテクニカルエリアに出て選手たちを鼓舞し続けた。

 そんな中、日本は長友が高い位置を取る形が増え、惜しいチャンスも何度かあった。が、最後のところで押し切れずにタイムアップの笛。新体制初勝利はお預けになってしまった。

 前半は固さが見られた日本だが、後半は選手たちが自由な発想で攻める時間が長くなり、得点への迫力も確かに強まった。武藤を筆頭にいいプレーを見せた選手もいて、収穫も少なからずあった。そのいい部分を10月シリーズにどうつなげるか。1カ月後の再集合時の前進に期待したい。

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