逆転優勝に向けて背水の陣を敷くチーム同様に、この一戦に今季の残りすべての命運を懸ける男がいる。今野の出場停止で、チャンスを得そうな内田達だ。
彼は昨季のJ2時代から長谷川監督に重用され、着実に成長を遂げてきたはずだった。ただ、J1第11節の横浜FM戦で負傷交代し、以後はコンディションが整い切らず定位置を失っていた。大森や西野ら、同じ“長谷川チルドレン”が結果を出して主力にのし上がった中で強いられた雌伏の時期。だからこそ、主力7人を温存して勝ち切った天皇杯準々決勝の大宮戦で好パフォーマンスを見せ、そして巡ってきた絶好のアピールの舞台に燃えている。
「ヤット(遠藤)と組ませる以上、相方には守備力を求める」(長谷川監督)。指揮官は明神と内田達の二択について明確な答えを避けたが、胸の内は「決めているが言わない」。いまのG大阪の守備の安定は元代表コンビのバランスが支えてきた。そこに割って入りたい内田達は「川崎Fはバイタルエリアを使うのがうまい。そこをしっかりと封じたい」と決意を語る。この大一番で、昨季から積み上げてきた力が試される。(下薗 昌記)