時には自ら営業に回る
あのとき、柱谷哲二前監督が来ていなければ、いまの水戸はない。それどころか、現在クラブは存在していなかったかもしれない。その表現が大げさではないぐらい、4年半の間に柱谷前監督が残した功績は大きかった。
柱谷前監督が就任した11年。水戸は危機的な状況にあった。新体制記者会見前に緊急にクラブの財務状況に関する会見が開かれ、Jリーグから借り入れている3千万円の返済期限を先送りにすることを発表。10月末までに返済できなければ、「最悪の事態も考えなければならない」(沼田邦郎社長)という存続の危機に陥った。再スタートを切ろうとした水戸にさらに追い打ちをかける出来事が起きた。東日本大震災である。水戸市も大きな被害を受け、地域の経済は冷え込み、万事休したかと思われた。
そんなクラブに希望の光を灯したのが柱谷前監督だった・・・