Feature 特集

新天地に懸ける男たち MF 渡邉 大剛(大宮→釜山)

2016/1/27 11:30


Photo: © J.LEAGUE PHOTOS

悔いのないキャリアを築くために


 1月13日、渡邉大剛の釜山アイパークFCへの完全移籍が発表された。チームに5年在籍し、過去2年間は背番号10を身にまとったアタッカーは、新たな挑戦の場として韓国を選んだ。クラブの公式リリースに載せられたコメントは約500文字を数え、彼が大宮に対してどれだけ真摯な思いを持って戦ってきたかがうかがえる。

 昨季終了後に31歳の誕生日を迎えた渡邉は、祝福を受け止めるとともに、当時の心境を吐露した。

「小さいときからサッカー一つでやってきて、30歳を過ぎてあと何年できるか分からないけど、1年ずつ勝負だと思う。一つひとつの積み重ねだと思うので、そういうところに自分なりにこだわって、これからもやっていければと思う」

 サッカー選手としての節目とも言える30歳を過ぎて1年が経ち、その重みをあらためて実感した。奇しくも誕生日の約2週間前、京都時代の後輩・中山博貴が現役引退を発表。いつか訪れる“その日”を明確に意識しながら、自らのキャリアを見つめた。

「辞めるときにどういう気持ちで辞めるかは分からないし、いろいろな選手が引退していく中で、『悔いなくやれた』と言う選手は本当に幸せなのかなと。僕が現状でそういうことを考えると、どういう状況であれ、『悔いが残るだろうな』と思ってしまう。なるべくそうならないように、一つひとつやっていく」

 そうした思いを抱えながらたどり着いた結論が初の海外挑戦であり、釜山への加入だった。クラブ史上初の2部での戦いとなる釜山では、大宮と京都での昇格経験をチームに還元することも期待されているという。クラブの歴史の新たなページを開くために必要とされ、悔いのないキャリアを築くために――。オレンジの10番は海を渡る。(片村 光博)

渡邉 大剛(わたなべ・だいごう)
1984年12月3日生まれ。長崎県出身。171cm/62kg。国見中→国見高→京都を経て、11年に大宮に加入した。J1通算214試合出場16得点。J2通算103試合出場5得点。

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