■浦和レッズ
5連戦初戦は「優勝決定戦と位置付けてもいいぐらいの試合」(宇賀神)
勝利したチームが優勝戦線に生き残り、負けたチームが脱落する。今節の鹿島戦は「優勝決定戦と位置付けてもいいぐらいの試合」(宇賀神)だ。
浦和の残り試合は鹿島より2試合多い5試合。そのため鹿島戦以降、中3日、中2日、中3日、中2日と1stステージ最終節まで5連戦になる。対戦相手も鹿島戦のあともG大阪、広島、FC東京とACL勢に出場した実力あるチームが続き、最終節は近年の相性が決して良くない神戸戦。日程も相手も厳しい試合が続く。
中でも今回の鹿島戦は「(5連戦は)初戦がすべて」(李)と言っても過言ではない一戦だ。初戦で勝利すれば5連戦にも勢いがつく。また、浦和は2試合少ない状態とはいえ、首位の川崎Fとの勝ち点差は『4』、2位の鹿島との勝ち点差は『3』。ここで敗れれば未消化の2試合で勝利しても川崎Fはもちろん、鹿島をも逆転できなくなる可能性が出てくる。逆に勝利すれば2試合少ない状況で鹿島と勝ち点で並ぶことになり、少なくとも鹿島と比べれば大きく優位に立つ。
鹿島とはリーグ戦に限れば10年のJ1第22節から6勝5分の11戦無敗だが、ホームでは3勝3分と引分けも多い。さらに直近の試合(15年2nd第12節・2○1)では、鹿島のGK曽ケ端のキャッチミスから興梠が押し込んで勝利したが、「メッチャ強いと思いながらやっていた」(宇賀神)、「相手のほうが良かった」(梅崎)試合だった。相性が良いと言っても油断できる相手ではない。それでも、「強いチームのほうがやりやすい」(遠藤)と感じる選手が多いのは、戦い方や試合に臨むメンタル面では好材料だろう。
前売りチケットは9日午前の段階で46,000枚が売れている。ホーム開幕戦となった1st第2節・磐田戦(1●2)の43,826人を上回っており、今季最多の入場者数となることは間違いなさそうだ。大観衆が見守るビッグマッチで浦和が望み、望まれること。それは優勝争いを制す力を、そして結果を見せることだ。(菊地正典)
■鹿島アントラーズ
約5シーズン勝ちがない相手。しかし、互角に戦える準備は整った
ようやくここまでたどり着いた。ステージ優勝を左右する大一番を前にしても、選手たちは落ち着いた表情を保っている。しかし、目を凝らして練習を見ると、局面の戦いはバチバチと火花が散る。選手が胸に宿した燃え盛る炎が見えるかのようだった。
10年の後半戦から約5シーズン、浦和には一度も勝てていない。3連覇で一時代が終わり、世代交代に入った鹿島とは対照的に、年々チーム力を上げていった浦和。リーグ戦やACLでの成績、日本代表の数なども相まって、精神面で上回っていたのは相手のほうだった。それでも昨季は、あと一歩まで追い詰めた。だが、1stステージ(第13節・1●2)は初先発したジネイの体力がもたず終盤に押し切られ、2ndステージ(第12節・1●2)は優位に試合を運びながらGK曽ケ端のミスで勝利を逃した。ゲームをまとめて勝ち切る力は、まだ浦和が上だった。
しかし、若かったチームは、昨季のナビスコカップを制して自信を満たし、金崎と昌子が日本代表に定着するなど、実績面でも遜色がなくなった。幼かったチームは青年期を経て大人に変貌しようとしている。ようやく浦和と互角に戦えるところまでたどり着いた。
リーグ戦では3連勝と、上り調子でこの試合を迎えることができたこともプラスに働く。中でも土居が3試合すべてで得点に絡むなど絶好調を維持。さらに、遠藤が復帰して前線に起点ができたせいか、今季ここまで、鳴かず飛ばずだった柴崎が完全復活。攻撃の端緒となる縦に入れるクサビの精度が冴え渡り、前節の甲府戦(4○0)では4得点すべてを演出。ようやく本来の姿を取り戻してきた。
勝ったところで優勝が決まるわけではない。しかも、欲しいのはステージ優勝ではなく、年間優勝だ。しかし、過去を払しょくし、新たな時代の幕開けを告げるには、ここで勝つしかない。
戦う準備はできた。(田中滋)