今季が始まるときにここまでの光景を想像できた選手はおそらくいなかっただろう。J1昇格レースの行方を左右する名古屋との直接対決。「今日のゲームは負けようが引き分けになろうが勝とうが、われわれの目的とするものにはまったく到達できない」。高木監督がそう言うようにこの試合がすべてを決めるわけではない。しかし、周りはそう見ない。それは今季最多、長崎がJ2に昇格して以降、2番目の記録となる12,923人がスタジアムに足を運んだことからも明らかだ。長崎に昇格への気運が高まっている。それを示すような、まさに熱のこもった空間が作り上げられていた。
当然、現場の頑張り抜きではこの舞台は作り得なかった。…