この日も2得点を挙げたニューエースは、試合後も多忙を極めた。
約1時間のインタビュー取材を終え、武藤はロッカールームから駐車場までの廊下を歩きながら口を開いた。「ちょっと戸惑っていますよ、いまの状況に」。
現在、FC東京の試合には、すべてのキー局のテレビカメラがやってくる。小平の練習場にも、連日さまざまな媒体の取材者が現れる。武藤本人にとってもクラブにとっても、当然有り難いこと。ただその思いとは別に、自らの評価が急激に上昇していくことに、少し付いて行けないといった感情もある。
もちろん、そうしたムーブメントは自らが起こしたモノ。代表選出後も武藤が活躍し続けていることで、注目の熱は冷めることを知らない。
ハビエル・アギーレ監督が視察したこの試合。武藤は前半のうちに2得点。いずれも味方の手厚いお膳立てあっての得点に、謙虚さを貫く彼は感謝を忘れない。
試合後、メキシコ人指揮官は帰り際に一言。…