14日の初戦・コートジボワール戦(レシフェ)で手痛い逆転負けを喫した日本。19日の第2戦で初戦勝利のコロンビアがコートジボワールを撃破し、早くも勝ち点6を獲得しただけに、日本としては同日夜の第2戦・ギリシャ戦(ナタル)で勝ち点3を取り、最終戦でコロンビアを下して逆転1次リーグ突破を決めたいところだ。
そのためにも、ギリシャ戦は絶対に落とせない重要な一戦。しかもコートジボワールとの得失点差を考えても、このゲームは大量得点を取って勝ちたい。前回沈黙してしまった香川真司(マンU)も「もう勝つしかない。ここで気持ちが折れてるようじゃ、この4年間、何をやってきたのかという話だから、切り替えて頑張りたい」と悲壮な決意を口にするほど、勝利、そしてゴールへの渇望を強めていた。
この日のナタルは朝から豪雨と晴れが交互に繰り返される落ち着かない天候で、エスタディオ・ダス・ディナスもスリッピーなピッチになりがちだ。そういう困難な環境を制してこそ、今後への希望が開けてくると言えるだろう。
注目の日本のスタメンは、GK川島永嗣(リエージュ)、DF(右から)内田篤人(シャルケ)、吉田麻也(サウサンプトン)、今野泰幸(G大阪)、長友佑都(インテル)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)、山口蛍(C大阪)、2列目右に大久保嘉人(川崎)、左に岡崎慎司(マインツ)、トップ下に本田圭佑(ミラン)、1トップ・大迫勇也(ケルン)。
コートジボワール戦でシュートゼロに終わった香川が予想外の控えに回り、大久保が満を持して先発。彼が右、岡崎が左というサプライズ布陣で挑んだ。ボランチもスタメンと見られた遠藤保仁(G大阪)もベンチスタートとなり、長谷部と山口が前回とポジションを入れ替えた。このザッケローニ監督の大胆采配がどういう効果をもたらすか…。その動向が注目された。
対するギリシャはGKカルネジス(グラナダ)、DF(右から)トロシディス(ローマ)、マノラス(オリンピアコス)、パパソタスプーロス(ドルトムント)、ホエバス(オリンピアコス)、アンカーにカツラニス(PAOK)、その前目にマニアティス(オリンピアコス)とコネ(ボローニャ)、右FWフェトファツィディス(ジェノア)、左FWサマラス(セルティック)、FWミトログル(フラム)の4−3−3だ。彼らは初戦黒星の後、マニアティスとツァベラス(PAOK)の2人が衝突し、マニアティスが帰国寸前になるというチーム崩壊危機に陥っただけに、日本としてはその綻びを突きたかった。
荒れ模様の天候の中、キックオフされたこの試合。前回の反省を踏まえ、日本は最終ラインから丁寧にビルドアップし、じわじわと相手陣内に侵入していく。今野も左サイドに開いてハーフウェーラインあたりまで位置を上げるなど、チーム全体として前へ行く意識が垣間見えた。
開始2分には大久保の突破から山口がミドルを試み、7分には長谷部のロングパスに岡崎が飛び出すなど、手ごたえが感じられる。大迫も前回よりはボールが収められるようになり、19〜20分には2度続けてビッグチャンスを迎える。しかし堅守のギリシャを打ち砕くまでには至らなかった。
試合が動いたのは前半38分。ギリシャのカツラニスが早々と2枚目のイエローを受け、退場した時間帯だ。これで日本は数的優位となり、相手が混乱しているところを畳みかけようとした…