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代表国際親善試合
11/14(金) 19:35 @ 豊田ス

日本
6
3 前半 0
3 後半 0
試合終了
0
ホンジュラス

Report マッチレポート

吉田、本田、遠藤、乾の2発、そして豊田。取るべき人がゴールを挙げ、ホンジュラスを6−0で粉砕

2014/11/14 21:33

 9月に本格始動したアギーレジャパン。これまで4試合は1勝1分2敗と黒星が先行している。それだけに、今回の11月2連戦は何としても勝利が必要だ。ハビエル・アギーレ監督が合宿初日の10日から3日間、メキシコに一時帰国し、実戦的なトレーニングを13日の前日しか消化していないため、14日のホンジュラス戦(豊田)は新顔を含めたチームがどこまで機能するかが気がかりだった。

「明日は遠藤(保仁=G大阪)が先発だ」と明言した通り、2014年ブラジルワールドカップメンバーの起用を示唆した指揮官が誰を並べるかが気になった。この日のスタメンはGK川島永嗣(リエージュ)、DF(右から)内田篤人(シャルケ)、森重真人(FC東京)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井高徳(シュツットガルト)、アンカーに長谷部誠(フランクフルト)、右インサイドハーフ・遠藤、左インサイドハーフ・香川真司(ドルトムント)、3トップ右に本田圭佑(ミラン)、左に武藤嘉紀(FC東京)、1トップ・岡崎慎司(マインツ)の4−3−3。メキシコ人指揮官は案の定、現状でのベストメンバーと思われる陣容を投入。必勝態勢でのぞんできた。対するホンジュラスは4−4−2。キーマンと言えるのは、キャプテンでセンターバックのマイノル・フィゲロア(ヴィガン)、左MFキオト(オリンピア)ら。18歳の新鋭ストライカー・エリス(オリンピア)の一挙手一投足も注目された。

 ホームの日本が主導権を握ると見られたこの試合。案の定、日本は開始早々からアグレッシブな攻撃に出る。長谷部・遠藤・香川の中盤3人の関係性が重要なポイントと見られたが、遠藤の自由自在のポジショニングとパスさばきが大きな活力を与え、チーム全体がこれまで4試合とは比べものにならないほどの連動性を示した。そんな中、開始9分にはいきなり先制点を挙げる。武藤の左サイドのドリブル突破から得た左CKを遠藤が蹴り、ニアサイドに岡崎が飛び込んでコースを変え、GKが弾いたボールをファーから吉田が頭を合わせてゴール。「豊田でどうしても勝ちがほしい」と強調していた彼の一撃で日本は優位な状況に立った。

 その後も25分くらいまでは日本が相手を圧倒したが、ホンジュラスも徐々にそのペースに慣れてきて反撃体制に入る。前線のエリスらの迫力に森重ら日本守備陣が押されることもあったが、やはり2014年ブラジルワールドカップ組の4バックは簡単には崩れない。彼らもこれまで4試合とは連携が違った。

 そして日本は41分、長谷部の絶妙のパス出しから本田が抜け出し、冷静に相手GKを見て左足を振りぬいて2点目をゲット。さらにこの3分後には岡崎→武藤→本田とつながったボールを中央で受けた遠藤が豪快なミドルシュートを叩き込み、3点目を挙げる。決定力不足が目立った10月のジャマイカ戦(新潟)とは違うチームのようにイキイキした戦いぶりを見せ、日本は前半を3−0で折り返すことに成功した。

 迎えた後半。アギーレ監督は武藤と乾貴士(フランクフルト)を交代。その乾が入るや否や大きな仕事をやってのける。岡崎→遠藤→本田とボールがつながった瞬間、相手DFの背後に鋭く飛び出し、ダイレクトで右足シュート。これがネットを揺らし、待望の代表初ゴールを挙げる。今季のクラブでの好調ぶりを、彼は代表戦のピッチで実証した。

 4−0とリードを広げたアギーレ監督は後半18分、岡崎に代えて豊田陽平(鳥栖)を投入。大型FWの前線に据えてチームがどうなるかを試した。その豊田は積極果敢にゴール前へ飛び出し、相手に脅威を与える。ザックジャパン時代に比べて前へ前へという意識が色濃く感じられた。そして後半24分、内田のインターセプトから本田→香川を経由して、最終的にフリーになった豊田がゴール。彼も喉から手が出るほどほしかった代表初得点を挙げる。日本のゴールラッシュはまだまだ続きそうな気配を感じさせた。

 こうなると、アギーレジャパン発足後、まだゴールを奪っていない香川の得点が期待された。豊田の5点目の直後に遠藤と交代した柴崎岳(鹿島)とともにインサイドハーフに陣取った香川は、これまで以上に高い位置を取るようになる。その香川が起点となり、後半30分には乾が自身2点目となる6ゴール目をマークする。香川はやや残念だっただろうが、乾にとっては最高のアピールになったに違いない。

 指揮官はこの後、長谷部に代えて田口泰士(名古屋)を投入。地元でプレーする選手のアンカー起用には豊田スタジアムも大いに盛り上がった。さらに指揮官は残り10分を切ったところで川島と西川周作(浦和)を交代。守護神変更という相手にとって屈辱的な采配も見せる。それほどの余裕を持てたということだろう。

 試合は終盤に突入。本田の豪快なドリブル突破から豊田にラストパスが通ったり、彼自身が得たFKを自らの強烈な左足で枠内に飛ばしたりと、もう1〜2点入りそうな雰囲気はあったが、最終的に試合は6−0で終了。点を取るべき人が取って圧勝という、アギーレ体制発足後初めての快勝で、日本は1月のアジアカップ(オーストラリア)へ力強い一歩を踏み出した。これを自信にして、4日後のオーストラリア戦(大阪)でも2連勝を飾り、紆余曲折の多かった2014年を締めくくりたいところだ。(元川 悦子)

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