中村充孝、その本領を発揮するか
トニーニョ・セレーゾ監督はナビスコカップ制覇に向けて並々ならぬ闘志を燃やす。第一子誕生が間近だったダヴィにも、宮崎キャンプに予定どおり参加することを厳命。チーム全員がそろって再始動することに強いこだわりを見せた。
その合宿内で行った数少ない戦術練習で輝きを見せていたのが中村だった。
「もっと感情的になれ!」
これまでセレーゾ監督はそう言って、中村の尻を叩いてきた。気後れすることなく周りにパスを要求し、積極的にプレーする。その資格があることを自覚させたかったのだろう。
攻撃的な選手の調子のバロメーターは当然のことながらゴールに絡む回数だ。得点という直接的な数字はもちろんのこと、決定的なチャンスを作り出す回数で、その選手がどの程度チームに溶け込み、戦力として貢献しているかを推し量ることができる。
ただし、現代サッカーは、最前線のFWにさえ守備の役目を求める。攻撃面だけの貢献では先発の座を勝ち取ることは難しく、ましてや守備においても細かなポジション修正を求めるセレーゾ政権において、その動き方を理解することは不可欠な要素だ。ところが、その難しいはずの守備について、中村は「休みどころが分かるようになってきた」と話す。約束事を反芻しながら、すべてのプレーに全力で駆け回るばかりだった移籍直後とは明らかに違っていた。
今週は一貫して主力組だった中村。「良い準備ができた」と静かに闘志を燃やす。(田中 滋)