川崎Fに、小さなテクニシャンが帰ってきた。大島僚太。今季序盤戦、チームの悪い流れを変えた一人でもある若きMFが、リーグ終盤戦のここに来て約5カ月ぶりに復帰を果たすことが濃厚だ。
5月18日の第12節・磐田戦で、右太もも肉離れを負った。当初の復帰時期を大幅に過ぎても、ボールを蹴ることもできず。9月には東アジア大会に臨むU-20代表にも選出されるも辞退と、長らく苦しんだ選手の帰還だけに、チームメートも喜びを隠せない。
先週、FC東京との練習試合で久々にボランチのコンビを組んだ山本は「“天才”が戻って来ましたね。ブランクを感じないし、『アイツ、けがしていたっけ?』と思うぐらい」と笑みを見せた。また中村も彼の才能を称えながらこう話す。「僚太はチームの潤滑油。復帰戦の練習試合でも普通の顔してやっていた。アイツとはいつもいい感覚でプレーできる」。
当の本人は、ハニカミながら恥ずかしそうに謙遜する。「まだまだ周囲と合わないことも多い」。ただ、冷静にチームの変化を感じ取っていたところは、さすがだった。「久々にプレーしてみて、序盤戦とは違って同サイドの攻めだけではなくてサイドチェンジも入れたり、いまはみんな柔軟に戦術を捉えている」。
「だまされてはダメ。アイツ、本当は自信満々。それをもっと表に出せといつも言っているぐらい」。中村は復帰する大島に期待を込めてハッパをかける。応援チャントの歌詞にもあるように、“笑顔がキュート”な背番号16。そのハニカミの奥に秘める自信を押し出し、今節・清水戦で再びチームを上向きにできるか。復帰直後にしては少々過度な期待かもしれないが、それに見合う才を、彼は十分保持している。(西川 結城)