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ワールドカップ予選
6/20(金) 7:00 @ ドゥナス

日本
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試合終了
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ギリシャ

Report マッチレポート

10人のギリシャ相手にまさかのスコアレスドロー。1次リーグ敗退が濃厚となった日本

2014/6/20 9:05

 14日の初戦・コートジボワール戦(レシフェ)で手痛い逆転負けを喫した日本。19日の第2戦で初戦勝利のコロンビアがコートジボワールを撃破し、早くも勝ち点6を獲得しただけに、日本としては同日夜の第2戦・ギリシャ戦(ナタル)で勝ち点3を取り、最終戦でコロンビアを下して逆転1次リーグ突破を決めたいところだ。

 そのためにも、ギリシャ戦は絶対に落とせない重要な一戦。しかもコートジボワールとの得失点差を考えても、このゲームは大量得点を取って勝ちたい。前回沈黙してしまった香川真司(マンU)も「もう勝つしかない。ここで気持ちが折れてるようじゃ、この4年間、何をやってきたのかという話だから、切り替えて頑張りたい」と悲壮な決意を口にするほど、勝利、そしてゴールへの渇望を強めていた。

 この日のナタルは朝から豪雨と晴れが交互に繰り返される落ち着かない天候で、エスタディオ・ダス・ディナスもスリッピーなピッチになりがちだ。そういう困難な環境を制してこそ、今後への希望が開けてくると言えるだろう。

 注目の日本のスタメンは、GK川島永嗣(リエージュ)、DF(右から)内田篤人(シャルケ)、吉田麻也(サウサンプトン)、今野泰幸(G大阪)、長友佑都(インテル)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)、山口蛍(C大阪)、2列目右に大久保嘉人(川崎)、左に岡崎慎司(マインツ)、トップ下に本田圭佑(ミラン)、1トップ・大迫勇也(ケルン)。

 コートジボワール戦でシュートゼロに終わった香川が予想外の控えに回り、大久保が満を持して先発。彼が右、岡崎が左というサプライズ布陣で挑んだ。ボランチもスタメンと見られた遠藤保仁(G大阪)もベンチスタートとなり、長谷部と山口が前回とポジションを入れ替えた。このザッケローニ監督の大胆采配がどういう効果をもたらすか…。その動向が注目された。

 対するギリシャはGKカルネジス(グラナダ)、DF(右から)トロシディス(ローマ)、マノラス(オリンピアコス)、パパソタスプーロス(ドルトムント)、ホエバス(オリンピアコス)、アンカーにカツラニス(PAOK)、その前目にマニアティス(オリンピアコス)とコネ(ボローニャ)、右FWフェトファツィディス(ジェノア)、左FWサマラス(セルティック)、FWミトログル(フラム)の4−3−3だ。彼らは初戦黒星の後、マニアティスとツァベラス(PAOK)の2人が衝突し、マニアティスが帰国寸前になるというチーム崩壊危機に陥っただけに、日本としてはその綻びを突きたかった。

 荒れ模様の天候の中、キックオフされたこの試合。前回の反省を踏まえ、日本は最終ラインから丁寧にビルドアップし、じわじわと相手陣内に侵入していく。今野も左サイドに開いてハーフウェーラインあたりまで位置を上げるなど、チーム全体として前へ行く意識が垣間見えた。

 開始2分には大久保の突破から山口がミドルを試み、7分には長谷部のロングパスに岡崎が飛び出すなど、手ごたえが感じられる。大迫も前回よりはボールが収められるようになり、19〜20分には2度続けてビッグチャンスを迎える。しかし堅守のギリシャを打ち砕くまでには至らなかった。

 試合が動いたのは前半38分。ギリシャのカツラニスが早々と2枚目のイエローを受け、退場した時間帯だ。これで日本は数的優位となり、相手が混乱しているところを畳みかけようとした。そして本田のパスから大迫が決定的なシュートを放つが、これも決められない。逆に40分には相手のカウンターからトロシディスに得点機を作られる。これは守護神・川島のナイスセーブで事なきを得たが、結局前半はスコアレスのまま折り返してしまう。ボール支配率70%、シュート数も7対4と相手を上回ったものの、アジア予選のように日本は攻めあぐねた印象だった。

 ここで手を打たなければ、1次リーグ敗退が濃厚となってしまう。ザック監督は後半頭から遠藤を投入。いよいよ勝負に出る。日本はよりゴールへの意識を高め、相手のファウルを誘い、たびたびFKを得る。4年前の南アフリカでも本田と遠藤が揃ってFKを決めてくれたことでデンマークに勝ち切れた。その再現を期待したいところだったが、彼らのキックは精度を欠いてしまう。

 ザック監督はさらに攻めを加速させるため、控えに回した香川を大迫に代えてついに起用。岡崎を1トップに置き、大久保を右、香川を左、本田をトップ下というこれまでとは違った形で1点を取りに行った。その香川の思い切ったドリブルから日本はチャンスを作るようになり、24分には香川→内田と崩し、右からのマイナスクロスに大久保がドフリーで飛び込むが、彼のシュートはまさかの枠の上。この日最大の決定機を逃し、大久保は天を仰いで悔しかった。この4分後にも長友のクロスから岡崎が粘ったところに内田が詰めたが、これも枠を外してしまう。日本にとっては本当に苛立ちの募る時間帯ばかりが延々と続いた。

 残り時間は刻一刻と減っていく。日本は長友と内田ががサイドから懸命にクロスを上げるが、どうしても中央での競り合いに勝てない。人数は揃っていてもギリシャの屈強な男たちに跳ね返されてしまう。ザック監督は吉田を前に上げる指示を出したが、それでも勝てない。逆にギリシャにCKを与え、空中戦で脅威にさらされる。一方的に攻めているのにこれでもかというくらいクリアされる。ギリシャの術中にはまった日本は、決め手のないまま終盤を迎えることになった。

 ザック監督が最後のカードを切るか否かが注目されたが、交代のないまま後半ロスタイムへ。4分間も日本は攻めの姿勢を押し出したが、吉田のパワープレーも不発。10人のギリシャを押しきれない勝負弱さが浮き彫りにされた。各駅停車のパス回しでは結局、相手の堅守はこじ開けられなかった。昨年10月のベラルーシ戦(ジョジナ)の再現をムるような悪夢が現実となり、日本は0−0のドロー。勝ち点1を得るにとどまり、1次リーグ敗退が濃厚になってしまった。

 インテンシティの感じられない試合運びに、タイムアップの瞬間、スタジアム全体からブーイングが沸き起こる。徒労感ばかりの残るこの試合のダメージは日本にとって非常に大きい。24日の最終戦・コロンビアに勝ったとしても、コートジボワールがギリシャに勝ってしまえばそれで大会は終わり。引き分けたとしても得失点差でかなり不利だ。この苦境を果たしてどう乗り切るのか。選手たちの底力を信じるしかない。(元川 悦子)

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