将来性豊かな人材がそろう2列目。本田圭佑や香川真司といった選手たちを脅かす存在は出てくるのだろうか。今回は宮市亮、長澤和輝、原口元気、宇佐美貴史、野津田岳人を紹介する
MF 宮市 亮(アーセナル)
1992年12月14日生まれ、21歳。183cm/71kg
そのスピードはもはやワールドクラス
宮市のストロングポイントは、ワールドクラスのスピードだ。100mのタイムは10秒6。プレミアリーグ最速と言われるウォルコット(アーセナル)の10秒3に迫る俊足でサイドを切り裂き、クロスボールでゴールを呼び込む。チームが攻めあぐねたとしても、宮市の持つ絶対的な個の力を持ってすれば、局面打開が可能だ。試合終盤の切り札として起用されても、力を発揮するだろう。
次期代表監督の最有力候補と言われるアギーレ氏は、積極的な守備からのショートカウンターを戦術基盤としているだけに、抜群のスピードを誇る宮市と新指揮官の相性も悪くない。最も得意とするポジションは左MF。ただ、アーセナルでは右サイドMFとしてもプレーしており、左右両サイドをこなす器用さも武器になるはずだ。
課題は、けがの多さに尽きる。昨季は度重なるけがに泣き、リーグ戦は1試合しか出場できなかった。アーセナルに入団した11年当時に比べると、体つきは一回りも二回りも大きくなったが、それでも接触プレーの激しいプレミアリーグで当たり負けする場面は少なくない。自慢の速さを失わず、けがのない強靭なフィジカルを作り上げることが必要になる。(田嶋 コウスケ)
MF 長澤 和輝(ケルン)
1991年12月16日生まれ、22歳。173cm/68kg
密集地をものともしない技術の高さ
ザッケローニ体制下で推し進められた“つなぐサッカー”をもう一つ上のレベルへ引き上げるために必要な素質を長澤和輝は兼ね備えている。密集地であろうとマークを引きはがし、ボールを受けると同時に前を向き、そこから局面の打開を図るその能力には目を見張るものがある。ボールが前線に入らなければ低い位置まで下がり、ボールを引き出して全体を押し上げるなど状況に応じて必要なプレーを選択できるのも強みだ。
ただ、現状では“試合を決める力=結果”の部分で物足りない。周囲との連係を必要とするプレースタイルゆえか、加入半年のケルンでは得点に絡むプレーはほとんど見せられなかった。1部での戦いに向けて戦力を補強し、ポジション争いが激化するチームで生き残るためにも今季は数字を残したい。
さらに言えば、W杯のようなタフな戦いを勝ち抜くためには単独で試合の流れを変えてしまうような個の力が求められる。周りからのサポートがあったり、戦い方がハマれば活躍するでは、苦しい展開となったときにチームを救えない。4年後までに、いまの日本には欠けている欧州CLのようなプレッシャーの掛かる舞台で堂々とわたり合えるタフな選手へと成長することを期待したい。(山口 裕平)
FW 原口 元気(ヘルタ・ベルリン)
1991年5月9日生まれ、23歳。179cm/70kg
4年後への誓い。日本を引っ張る存在に
「日本を引っ張っていける存在になりたい」。日本代表のグループステージ敗退を目の当たりにした原口は、そう誓ってドイツへ旅立った。
今季の序盤戦に見せていたドリブルのキレ、突破力は間違いなく日本屈指だった。加えて「それをやらないと世界では戦えない」という守備の意識も昨季までと比べてかなり高まった。それでも、ブラジルW杯のメンバーに選ばれることはなかった。日本代表のグループステージ敗退を受け、原口は「落選したときよりも悔しかった」と話す。「日本が負けたこと自体が悔しかったし、『なんでここにいられてないのかな』って」。日本代表は世界に通用しなかった。自分はそこに入ることすらできなかった。「落選した瞬間にW杯は関係なくなったから」。そうも言っていたが、いざ目の当たりにしてみると、想像以上に悔しかった。ただ、一方で闘争心にも火がついた。「W杯で結果を残したいという気持ちは強くなった」。
もちろん、4年後に活躍できればそれでいいとも思っていない。「半年後、1年後に日本の力になれるように」。中心選手として予選を突破し、そして世界と戦う。そのためにドイツで己を磨く。(菊地 正典)
FW 宇佐美 貴史(G大阪)
1992年5月6日生まれ、22歳。178cm/69kg
天才は日本の希望となれるか
「4年後のロシアは、そこにいなければいけない場所」(宇佐美)。開幕前の負傷もあって、ブラジル行きの夢は果たせなかった宇佐美だが、日本人離れしたシュートセンスの持ち主であることは、周知のとおり。
10代から天才と呼ばれ続けたG大阪の至宝にとって、次大会は26歳。その才を考えれば、むしろ遅過ぎる年齢だが、敵陣深くで違いを作り出せる数少ない才能のさらなる成長は日本サッカー界の希望の一つと言える。
技術には疑いの余地がないだけに、課題はメンタル面で波をなくすことだけだ。(下薗 昌記)
MF 野津田 岳人(広島)
1994年6月6日生まれ、19歳。175cm/69kg
一撃必殺の左足。可能性は∞
小さいスペースでプレーできる技術とセンスを有し、パサーとしても非凡。攻撃能力は総じて高いプレーヤーではあるが、最大の特長はシュート力だ。パンチ力のある左足は一撃必殺の魅力がある。ゴールへの執着心も非常に強く、高校時代は広島ユースを高円宮杯3連覇に導く勝負強さを見せてきた。だが、今後の課題もその決定力にあると言える。「決め切る力がまだ足りない」と自認しているように、決定力をさらに高めていくことができるか。これから広島や五輪代表を、その左足で勝利に導くことできれば、可能性は無限大に広がる。(寺田 弘幸)