バタつきながらもしっかり勝ち切る。仙台、6試合ぶりの歓喜
「前半に何もプレーができていなかったのが事実」と大榎監督はキックオフからの45分間を振り返った。それほど、前半は一方的だった。
この日の仙台は負傷で赤嶺を欠き、ウイルソンも復帰したばかりでベンチスタートという状況だった。そこで渡邉監督は武藤を最前線に置くとともに、1.5列目に野沢を加入後初めて先発起用。「より高い位置でボールを収めることや、フリーランの飛び出しに期待した」という指揮官の期待に、野沢もチームメートも応えた。さらに最終ラインでは上本が2012年J1第31節・C大阪戦以来の先発出場を果たし、最終ラインを適確なタイミングで押し上げた。
仙台は右サイドを中心に清水を押し込み、12分と21分に武藤が技ありのシュートで2得点。その後も攻め立て、前半だけで10本のシュートを放った。
しかし、大榎監督が「幸運」と語った前半終了間際のFKでノヴァコヴィッチに決められ、仙台にとっては手放しでは喜べない形で前半終了。さらに清水が村田投入で攻勢を強めた後半立ち上がりに仙台守備陣は落ち着きを欠き、PKで追い付かれてしまう。
それでも仙台は“後半10分間の混乱”から立て直すと、前半よりトーンダウンしてはいたもののウイルソン投入で攻勢に転じる。すると77分、そのウイルソンが得た左サイドのFKから、最後は鎌田が勝ち越しゴールを決めた。
その後、仙台はウイルソンがPKを失敗したり、終了間際に危険な位置で直接FKを与えたりという場面もあったが、何とか逃げ切った。「評価できるのは勝利だけ」と、渡邉監督は厳しく試合を総括。ただし、攻撃で新たな形を披露し、6試合ぶりの勝利をつかんだことは、仙台にとって大きかった。(板垣 晴朗)