アギーレ監督も讃えたリズム感のあるゲームに
「先制点が重要になる」。試合前、柏の選手たちはそう口をそろえていた。前回対戦で0-3と敗れたことも、頭の中にはあったのだろう。守備の堅い甲府に対し、先に失点するとブロックを敷かれ崩すことが難しくなる。逆に、先制点を奪えば、どうしても相手が前へ出ざるを得なくなり、そのぶん、スキも生まれる。
序盤、甲府が高い位置からプレスを掛けてくる中で、「うまくボールが回らなかったり、少しバタバタした感じはあった」(近藤)。なかなかショートパスをつなげず、リズムをつかめなかったが、それでも一本の縦パスから先制点を奪ったのは柏。20分、ボールを受けた工藤は、相手DFの対応の悪さもあったが、うまくかわして6試合ぶりとなる貴重なゴールを決める。待望の得点によって、柏はその後、うまく相手のプレスをいなしながらポゼッションし、ゲームを有利に進めていくことができた。「(先制すると相手も)引いているだけじゃ勝てないようになる。出てきてもらうと、すごくいろいろなスペースもできるのでうまく戦える」(橋本)。そして、後半に入ると開始直後に橋本のクロスをレアンドロが合わせ追加点。さらに、その10分後には工藤のクロスが相手DFに当たりバーにはね返ったところを高山が詰め、試合を決定付けた。
視察に来た日本代表のハビエル・アギーレ監督も、「日本に来てから視察した試合の中では、もっともリズム感のある試合だった。両チームとも、意欲的にプレーして、両チームに魅せる場面があった」とこの試合を評した。勝者に“リズム感”を与えたのは間違いなく先制点だった。(石原 遼一)