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代表国際親善試合
9/5(金) 19:25 @ プレド

日本
0
0 前半 1
0 後半 1
試合終了
2
ウルグアイ

Column 試合後コラム

代表が見せるべき失点シーンではなかった/ANGLE 解説・小見 幸隆

2014/9/8 15:56

日本代表なんだから…

 正直、つまらない試合だった。ボールがうまく回らず、一本調子。そしてミスで失点して負けた。

 問題は、あの位置(インサイドハーフ)に不慣れな選手を置いたこと。細貝萌、田中順也では、前にボールが出てこない。そして、森重真人にはアンカーのポジションをやらせた。森重のアンカーについては悪くなかったと思う。ただ、森重をあの位置で起用するなら、その前には長谷部誠や遠藤保仁のようなタイプを置いたほうがいい。そうすれば、ボールは回ったと思う。テクニシャンを入れないと、日本の良さが出ない。代表の試合には、もうちょっと技術的に高い選手が出ていないと、それを見る子供たちにとっても良くない。せめて柴崎岳を半分くらいは使ってほしかった。

 失点シーンについては代表が見せるべき失点シーンではなかった。「ミスだからしょうがない」と言っている人がいたが、あれはやってはいけないミス。ましてや、代表なんだから。1失点目は、坂井達弥の足元のコントロールでミスが出た。ボールを足元に入れて、顔を上げれば良かっただけ。緊張という要素を差し引いて考えてもいいが、代表なんだから、ああいうミスはいけない。それがなぜ出たかと考えれば、選考のところから原因はあった。親善試合だとしても、試合なんだから勝負がかかっている。実際に、何万人もの人が見ている場だ。もうちょっとちゃんとやってほしいよ。2失点目の酒井宏樹のクリアミスも…。たまに、(柏時代から)ああいうところがでてしまうんだよね。

要は技術不足なんですよ

 ウルグアイと比べて、日本人が一番足りなかったのは、したたかさ。ここで何度も指摘してきたとおりだ。相手との駆け引き、図々しさというのがほとんどなかった。長友佑都ら、代表でも経験のある選手は体の入れ方で勝っていた。本田圭佑もよくやっていたと思う。ただ皆川佑介なんかは、プレーのすべてが正攻法。ジェフ時代の巻誠一郎(現・熊本)のようだった。見たところにしかパスを出さない。ウルグアイの選手が読めるところにボールを落としていた。サポートに入ってきた選手をフェイントにして、ほかの選手に目線を移す。DFに背中を向けてボールを受けるふりをして、ターンするようなしたたかさはなかった。

 全体的にも、ワンタッチ、ツータッチでボールが回るシーンがあまりなかった。要は技術不足なんですよ。相手のプレッシャーがキツいと、ワンタッチで出せるような場所が見えていない。遠藤とか、柴崎とか、そういうクッションになれる選手を置かないと。前線では、特に時間の余裕がない。前を向いて広い視野を持った選手が、「取られませんよ、簡単には」という持ち方をしないといけない。その中で森重は、しっかりルックアップできていた。ただ、ほかの中盤の選手が…。順也があの位置(インサイドハーフ)をやるというのは少し無理があると思う。中盤だとしても、外に張らせているならまだ順也の持ち味が生きたと思う。つまり、適材適所に選手がいなかったということだ。

 本田は、全体的なプレーは悪くなかったが、FKに関しては入る気がしなかった。何度も壁にぶつけるしね。左足の得意な順也も、「俺にも蹴らせてほしい」と主張しないといけない。そして、右利きで良いキッカーがいない。セットプレーは大事なんだが、そのキッカーがいない。あの先発メンバーの中では、森重か。ただ、実際にトライしていない。CKでキッカーを務めていた岡崎は、本当ならば中に置いておきたい選手。こぼれ球の反応が良いのだから。そのあたりを見ても、選考が緻密ではなかったというのは明らかだ。

期待を簡単に裏切ってはいけない

 今回の敗戦は選手選考のところからつながっていると思う。プレーする選手たちにも責任はあるが、選んだほうにも責任はある。何万人のファンの期待を簡単に裏切ってはいけない。周りの日本人スタッフが口を出さないといけない。右足のキッカーがいないといったことは誰でも気付いたはずだし、代えたほうがいい箇所はいくつもあった。最初の試合だったからこそ、見ている人に期待を持たせないと。ウルグアイに勝ちにいったと思うが、あまりにも出たメンバーが頼りなかった。まあ、スタッフが選手のことをよく分かっていないのだろう。トライするにしても、練習で結論を出してほしい。何万人の中でやる試合でトライすることがあまりに多いと、じきに人気もなくなってしまう。試合のあと、サッカーに詳しくない知り合いは、「まったく盛り上がらなかった」と話していた。気が付いたら「サッカーはもっと面白いんですよ」と言い返していた。サッカーというのは、得点を期待する場面があったり、逆に失点しやしないかとヒヤっとしたりする。外側から良いクロスが入る。スルーパスが通ってGKと1対1になる…。それがないと面白くない。つまり、それができなかったということ。

 ベネズエラ戦で監督がどうしてくるか。メンバーをどう入れ替えて、修正するか。つまらないゲームのあとに何をするか。それがかえって楽しみだ。

OMI’SRATING小見幸隆の辛口採点

GK1川島永嗣
及第点 2失点のうち、どちらかは止めてほしかった。周りのミスとはいえ、GKは最後の砦なのだから

DF5長友佑都
及第点 フィジカルの強さを見せて、拍手が生まれていた。ほかの選手の見本になっていた

DF6森重真人
及第点 役割を理解して、楽しそうにプレーしていた。パスの丁寧さはないが、それは仕方がない

DF22吉田麻也
及第点 CBを初めて組んだ坂井とも、無難にやっていた。縦パスを早めに入れる狙いは見えた

DF21酒井宏樹
不合格 2失点目は信じられないミス。余裕とヘディングの技術のなさが出た。代表定着はまだ先か

DF15坂井達弥
不合格 緊張したということを差し引いても、代表で1失点目のようなミスをしてはいけない

MF13細貝萌
及第点 守備で良い部分は出たが、出し手としては技術不足。隣が遠藤保仁のような選手ならいいが

MF8田中順也
不合格 シュートは打ったが、そもそもあのポジションの選手ではない。ボールも奪えなかった

FW9岡崎慎司
合格 ボールを持った際のプレーに自信が見える。相手をかわすこともあった。うまくなっている

FW4本田圭佑
及第点 点に絡むことに注力させたほうがいい。堂々とFKを蹴るけれど、精度を上げてくれないと

FW19皆川佑介
及第点 悪くはないが、正攻法過ぎる。相手を背負った際、正面にボールを落とすだけでいいのか

DF3酒井高徳
- 時間短く、評価なし

MF10森岡亮太
- 時間短く、評価なし

FW11柿谷曜一朗
及第点 同情する。良いところを見たいなら先発。サイドでもいいが、守備に追われるのは気の毒だ

FW14武藤嘉紀
及第点 長い時間、見てみたい。初出場で惜しいシュートも打った。能力値を考えても、期待できる

監督ハビエルアギーレ
不合格 日本人スタッフの助言を聞いたのか…。ファンが引き付けられるような試合を望みたい

小見幸隆(おみ・ゆきたか)
 1952年12月15日生まれ。東京都出身。69年に読売クラブ(現・東京V)に入団してMFとして活躍。日本代表にも選出された。引退後は読売クラブ、V川崎のトップチームやユースチームの監督を歴任。06年より柏で強化に関わり、12年秋まで強化本部統括ダイレクターなどを務めた。

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