町田 3-0 J-22
開始3分の先制点、取り戻した“らしさ”
先手必勝――。それが町田の本領だ。
開幕戦・藤枝戦(3○0)の“開始25秒”に、遠藤が挙げた得点はまさにその象徴だ。町田は開幕から10試合のうち5試合で、キックオフから10分以内に得点を奪っている。チームを首位に押し上げたのは、立ち上がりのアグレッシブな試合運びだった。
「高い位置でボールを奪い、カウンターから点を取っていた」と鈴木崇はそのスタイルを説明する。しかし夏場に入るとチームの“らしさ”が薄れてしまい、第22節・琉球戦(0●1)、第23節・長野戦(0●2)と、連敗を喫してしまう。
しかしこの日、町田は本来の試合運びを取り戻した。開始3分、戸高の自陣からのフィードに、鈴木崇がゴール前に飛び出し先制点を挙げる。チームで共有していた「背後を取ろうという意識」(鈴木崇)がいきなり奏功。その後もセットプレー、PKと順調に得点を重ねて3-0までリードを広げる。相手のつなぐスタイルがプレスに“ハマった”部分もあったが、町田が完勝で3戦勝ちなしの苦境を脱した。
昇格争いのライバル・長野に敗れた前節が「堪えた」(鈴木崇)のは自然な感情だろう。それを吹っ切った手段はまずコミュニケーション。「この1週間は今までで一番みんながサッカーについて話した」(鈴木崇)のだという。リ・ハンジェ、深津を中心に選手同士が“話せる”ことが、いまの町田の強みだ。
相馬監督が選手に伝えたのは「プレーを楽しむ」意識。町田は昨季のJFLを4位で終え、特別な補強があったわけでもない。しかしチームが快走する中で選手たちは自然と“守りの気持ち”になっていた。指揮官はそんな彼らを解きほぐし、心とプレーを“前向き”にさせようとした。
町田が勝ち点3だけでなく、ともすれば結果以上に重要な、攻守の大胆さ、立ち上がりの果敢さを取り戻した90分間だった。(大島和人)