エンジンをかけた二人の投入
試合前日の宣言どおり、ハビエル・アギーレ監督は5日のウルグアイ戦から先発5名を入れ替えてこの一戦に臨んだ。結果的には西川周作と林彰洋のGK二人と、扇原貴宏と松原健のフィールドプレーヤー二人の合計4人がプレーする機会を得られなかったが、この2試合でできるだけ多くの選手を出場させたいという指揮官の意向は、おおむね達成された。
ベネズエラ戦も4日前の試合同様、試合開始からテンポの上がらない展開となった。唯一、柿谷曜一朗がスペースに抜け出してシュートを放ったシーンがあったが決められず。それ以外は単発な攻撃に終始した。むしろ、集中力と連係を欠いた守備のスキを突かれ、相手に何本もシュートを許すなど、全体的に緩慢な印象が残った。「前半は相手が上回っていた」とアギーレ監督。自他ともに認める、低調ぶりだった。
ところが後半、日本は一気にエンジンの回転数を上げていく。その火付け役となったのが、交代で入った岡崎慎司と武藤嘉紀。岡崎は2点に絡み、武藤もド派手な代表デビュー弾まで決めてみせたが、そうした目に見えた結果以外でも彼らの貢献度は高かった。
特筆すべきは守備面。前半から最前線の大迫勇也やサイドの柿谷も相手ボールを追っていたが、コースを消すにとどまる“寸止めディフェンス”がほとんどだった。ところが後半に投入された岡崎と武藤は、とにかく相手の球際に噛み付くように寄せて行く。完全にボールを奪いに行く果敢な守備を、ハイプレス、プレスバックともに行ったことで、チーム全体にも“戦う”スイッチが入った。
個人のイージーミスから2失点を献上してしまったが、守備と攻撃の切り替えの連続に躍動感が出てきた日本は、武藤と柴崎岳のニュースター候補がそれぞれ得点を生むなど、後半はしっかりとした好材料を手にした。「次(来月の代表戦)の選出リストを見たときに、今回誰が良くて誰が良くなかったかが分かると思う」と、アギーレ監督は今後のし烈な選手競争をストレートに明言。激しく、戦える選手がこの指揮官のサッカーに不可欠であるということが、あらためて今回の試合からも確認できた。(西川 結城)