トレーニングから意識付けされていた「中央、サイド、裏」
「We are REDS! We are REDS!」。浦和サポーターは、試合後に大声援で選手たちを称えた。「俺たちがレッズだ」と言える誇らしさがあったのだろう。そして、それを「This is REDS」と言い換えることもできるような試合内容だった。
リーグ戦で3試合連続4得点。その理由を阿部は「チャンスでしっかり決めているから」としつつ、「トレーニングでやってきたことができていると思う」とも説明した。実際にこの試合では狙いが顕著に出ていた。清水戦に向け、ペトロヴィッチ監督はボールを奪ってから縦に速い攻撃を念頭に置きながらも、メリハリのある攻撃を練習から意識付けしていた。その結果、この日の浦和は中央から攻撃をしかけつつも、相手が中央に絞って守ってくればサイドを使う、相手が引いてくればボールを動かしながらスキを狙う、相手が前線からプレッシャーを掛けてくれば裏を狙う、といったように、相手の状況に応じてバリエーションある攻撃をしかけることができていた。得点パターンもミドルシュート、GKを含めて最終ラインでつないでサイドチェンジを入れつつ相手の裏を取った崩し、セットプレー、相手のミスを見逃さずに奪い切るといったようにさまざまだ。
もちろん、15分に完全に崩されてノヴァコヴィッチに打たれたシュートがゴールバーに当たらず、先制を許していれば違った試合展開になっていたかもしれない。また3点目を奪ったあとに押し込まれ、その流れのままセットプレーから失点してしまったことも無視はできない。ただ、槙野が「良い危機感が生まれる」と言ったように、勝ったから良しとするのではなく、それらを課題として突き詰めていくことができればプラスにもできる。
ナビスコカップは準々決勝で敗退となり、一つのタイトルが失われたあと、それを払しょくするかのように浦和らしい戦いで完勝した。試合後、阿部は次のように話した。「レッズがいかにレッズらしくいられて、結果を出せるか」。その先に勝利があり、タイトルがある。そう思わせる完勝劇だった。(菊地 正典)