影山監督の強気の采配に選手が呼応する
松本戦へ挑む岡山のスタンスは明確だった。「どんな形であれ、勝利を求めてやる。大事なことはガチバトルで相手を上回る守備の激しさ」(千明)。2試合未勝利が飢餓感を生み、大黒柱の上田と左サイドのスピードスター・三村を欠いて無骨な選手がそろったこともあり、岡山は戦う集団となってアルウィンに立った。
そして、サッカーというルールに則った肉弾戦で正面から2位の松本に挑んだ。多くの時間でボールは空中を飛び交い、選手たちが体をぶつけ合う。徐々にファウルが増え、レフェリーが統率を失っていくことで試合はさらにヒートアップしていく。
その中で両者の違いとなって表れたのがスピードだった。それはこれまでの対戦でも明らかで、「残念ながらわれわれにはスピードがない」と反町監督も認めている。岡山のそのスピードを武器に松本を苦しめる。自軍からのロングスローで左サイドを抜け出した石原が先制点を奪うと、後半は前掛かりになった松本の背後を突いてカウンターから好機を作り出した。
しかし、岡山は追加点を奪う決定力に欠け、その代償を支払うことになる。81分、ロングボールの処理のミスが重なって松本のFW山本に同点を叩き込まれる。岡山の“悪癖”がここでも出てしまった。ただ、勝利をあきらめなかった気持ちが奇跡を起こす。影山監督は相手のムードが最高潮の中でストライカー・荒田を投入。この指揮官の強気な姿勢に選手たちが呼応すると後半ロスタイム、カウンターから荒田が決め、劇的な結末を勝ち取った。
岡山は負けないだけの力を有しているが、勝ち切る力は不足している。今節も2点差にできない未熟な部分を露呈した。しかし、最後まで勝ちに行く姿勢を貫き、勝ち点3をもぎ取った。少しずつであるが、勝者のメンタリティーがチームに根付いてきている。
千明は試合前にこんなことも話していた。「2試合勝ってないだけなのにすごく前のような気がする。俺らってそういうチームになったんですよね」。そう、岡山はそれだけの力を備えてきている。