■名古屋グランパス
苦手な相手に対して、どう上回るか
4戦負けなしの名古屋。前節・横浜FM戦では、今季初の複数得点差で快勝を収めた。苦しい時期を乗り越え、良い状態で残留争い直接対決2連戦(15位・甲府、16位・C大阪)を迎えることができた。
ただ、ここからが正念場だ。名古屋最大の強みは、スキを見せない守備からの鋭いカウンター。アグレッシブな守備を継続し、少ないチャンスに前線の選手が呼応する攻守のサイクルが循環しているが、堅陣を敷く甲府は「ボールを持てるのではなく、持たせてくる」(西野監督)不得手な存在である。今季は複数得点差での敗戦がわずか2回しかないが、その中の一つが甲府戦(J1第8節・0●2)。現行のスタイル上、自分たちで主導権を握り、流れの中からゴールをこじ開ける術に欠いていることをチームの誰もが感じてきただけに気の緩みなどあるはずもない。横浜FM戦後、指揮官は喜びもほどほどに、課題と理想を強調した。
「いかに攻撃的にやれるか。現状の戦い方がスタイルではない。さらに(攻撃的に)移行していく」
いまできる最低限のスタイルに結果が付いてきたから口にできる言葉だ。ならばそこに昇華するために甲府は格好の相手。今季公式戦で2敗している“天敵”を破ったとき、待っているのはステージアップだ。(村本 裕太)
■ヴァンフォーレ甲府
バランス、終わり方、予防が重要に
前節・鳥栖戦で9試合ぶりの勝利を得た甲府だが、降格圏との勝ち点差は『1』。城福監督が「最後は相手に(勝ち点)『3』を与えないことも大事な選択肢になる」と口にするように、残り11試合という終盤戦で、チームがソリッドな試合運びを想定するのは当然のことだ。
「カウンターを受ける、永井選手の走力を出してしまう失い方をしてはいけない」。指揮官はそう言って、ボールの“失い方”に着目する。順位こそ接近しているが、名古屋は途中加入の選手も含めて、前線に強烈な個を擁するチーム。強みを存分に発揮されたらプロビンチアに勝機はない。
一方で甲府が引いたら相手に押し込まれ、高さのある前線にクロスを自在に供給されてしまう。「いかに保持しながら失い方に気を付けるか」(城福監督)という攻守のバランス、攻撃の終わり方がカギを握る一戦だ。
主将の山本は「(守備の)関係ないときにどれだけポジションを取れるかが重要」と指摘する。攻めているときこそ、相手の強みとなる選手を警戒し、距離を詰めておく。守備においては、そういった小まめな“予防”が重要になるだろう。(大島 和人)