■ガンバ大阪
“三兎”を追うG大阪。リーグ優勝のためにはもう負けられない
天皇杯、そしてリーグ戦と続いた広島とのアウェイ連戦に快勝し、J1クラブで唯一三冠保持者たる資格を手にしているG大阪。首位・浦和との勝ち点差は『10』と辛うじて首の皮一枚で可能性を残しているG大阪にとって、今節の大阪ダービーはライバル関係をさておいても勝ち点3が必須になる一戦である。
いまチームは本気で“三兎”を追っている。かねがね「相手に合わせるサッカーはしない」と公言していたはずの指揮官が前節の広島戦で選択したのは対広島にこだわったトリプルボランチ気味の中盤の布陣。理想に殉じることなく、あくまでも勝ち点3の奪取に向けて策を練る指揮官らしい采配だった。ただ今回は[4-4-2]でガッチリとマッチアップできるC大阪。「広島戦は自分たちの攻撃を出すためにはあの中盤の形のほうがいいと思った。次は普通にやる」と[4-4-2]に回帰することを明言した。
現在公式戦で3試合連発中の宇佐美を軸とする攻撃陣は不変だが、再開後のリーグ戦でわずか1敗、6完封勝利を支えてきた最終ラインは今季初のユニットが用いられる。岩下の出場停止によって丹羽とコンビを組むのが今季リーグ戦初先発となるキム・ジョンヤだ。「丹羽くんとは天皇杯でもプレーしているので連係に問題はない」とキムが話すように天皇杯の徳島戦、広島戦はこの二人のコンビで乗り切っている。調子を上げつつあるC大阪の攻撃陣にいかにCBコンビが耐久力を見せるかが、勝負のカギになるだろう。
アウェイで行われた4月の対戦時と、両者の立ち位置はまるで異なるが「C大阪はあの順位にいるべきチームじゃない」(宇佐美)。順位やチーム状態が結果に反映しないのが意地がぶつかり合う大阪ダービー。油断も慢心もなくG大阪は宿敵を迎え撃つ。(下薗 昌記)
''■セレッソ大阪
練習の雰囲気も良好。“オール・セレッソ”でこの危機を乗り越える
この夏、大阪の両雄の明暗はくっきりと分かれた。宇佐美の復帰とともに一気に順位を上げた青黒に対し、桜はリーグ戦11戦勝利なしと泥沼状態に陥り、降格圏に足を踏み入れた。それでも、8月下旬にはマルコ・ペッツァイオリ前監督が求めたプレスを基調とした縦に速い攻撃のスタイルが根付き、9月8日に電撃就任した大熊新監督が戦術的にもメンタル的にも一層の整備を図ったことで、前節の柏戦では2-0と完勝を収めた。ここに来てC大阪は、ナビスコカップ準々決勝第2戦・川崎F戦(3○2)、天皇杯4回戦・磐田戦(2○0)、そして柏戦と公式戦3連勝中であり、「勝てる雰囲気が出てきた」と山下は語る。シーズン2度目の監督交代は“劇薬”でもあったが、新監督の求心力により、チームは急速に一体感を高めている。監督を支えるコーチ陣も大きな声で練習を盛り上げ、降格の危機を“オール・セレッソ”で乗り越えようとしている。
メンバーは、大阪ダービーでの復帰を目指していた山口が17日に再び離脱するアクシデントがあったものの、急性虫垂炎を患った長谷川は復帰し、サイドハーフの南野や楠神も好調をキープしている。依然として離脱者は多いが、チームの士気は高い。
戦い方としては、前からの守備と運動量で相手を凌駕した柏戦の戦い方を継続する見込み。大熊監督は、「(ガンバは)うまい選手も多い。フリーにさせれば、クオリティーの高いプレーをしてくる」と警戒し、ボール回しに長けたG大阪に対しても、前からの果敢なプレスで主導権を奪いにいく構えだ。「難しい試合になると思うけど負けられない」(南野)。熱く燃える大阪ダービー。新体制の下、C大阪はアグレッシブな姿勢で大阪の覇権奪取を目指す。(小田 尚史)