降格圏の21位との勝ち点差が『4』と難しい状況からの船出となった東京Vの冨樫新監督は、短い準備期間の中、初戦で勝利という結果を出すことはできなかった。しかし、試合後の監督会見で、明るい性格の冨樫監督らしく、その場を暗いモノにすることはなかった。「まだまだ改善の余地がある。逆に言えば、良くなるチームだと確信できた」。明るいトーンでハキハキと話す姿は、これからの戦いに希望を感じさせるモノだった。
もともとトップチームへかかわる機会があったことや、育成組織でプレーしているころから知っている選手がチームには多くいることで、「選手把握ができていることは僕のアドバンテージ」と試合前の段階では話していたが、富山戦まで4日しかない準備期間はあまりにも短かったはずだ。それでも、冨樫監督が就任したことで表れた変化を一番に感じていたのは選手たちだった。「サッカーが楽しい」との声は多くの選手が口にした言葉。「監督が明るい性格なのでチームも明るくなる」と話した選手もいた。練習を見ていても真っ先に声を上げているのは選手ではなく、監督やコーチ陣だった。「自分もこんな感じで、コーチの村田、土肥もうるさいので選手はうるさいと思っているのかな」と冨樫監督は笑いながら話すが、その姿勢には選手たちに少しでも前を向いてほしいというメッセージが込められている。
「冨樫さんに恩を返したい」と意気込む選手たち。残り10試合、東京Vが最後に笑うためにはチーム一丸になることが大切で、冨樫監督にはそれを短期間でできる人間力があるはずだ。(柴原 貴彦)