勝利の裏に“前への意識付け”と“守護神の読み”
監督交代後、リーグ戦では1勝1分3敗、順位も3位に下がり、鳥栖が目標とするリーグタイトルに向けてはここが正念場だった。仙台戦に向けて選手間だけでのミーティングを連日実施。そこで確認し合ったのは前への意識付けだ。その結果、堅守速攻という似たスタイルを持つ仙台との試合はロングボールが飛び交い、互いにゴール前での攻防が続く目まぐるしくスピーディーな試合展開となった。
鳥栖が前への意識付けを強めた結果、最終ラインは高い位置を保ち、前線からのプレスをサポートする。その意識が強過ぎたあまり、仙台のカウンターに対して「前で取れなかったときに同数や数的不利もあった」(坂井)と苦しめられてはいた。後半のPK献上もミスからのカウンターで数的不利の対応を強いられた際のモノ。PK献上という事実は褒められたモノではないが、前への意識付けが表現できていたからこその代償と考えればネガティブに捉える必要もないだろう。
そして、この窮地を守護神が救う。「(ウイルソンが)慎重になっているのはボールを持ったときに感じた。思い切り蹴るというよりはコースを狙ってくる。ギリギリまで待てば結構、(コースが)分かりやすくなるんじゃないかと思っていた。読みどおり」と胸を張ったように、ウイルソンのPKを止めた林のビッグセーブが試合の潮目を変えた。
さらに、「前へしかける」という意識を持つ水沼が入ったことで鳥栖は勢いを増すと71分に豊田、84分に水沼が得点を挙げ、2-0。その後1失点を喫したが、吉田監督就任後、リーグ戦ホーム初勝利を挙げて優勝戦線に踏みとどまった。(杉山 文宣)