何度も何度も決定的なチャンスを作りながらゴールが生まれない。もどかしい時間帯を経験しなければいけないのは、直近の3試合に共通した展開だった。しかし、そうした展開になっても先制点を奪えるようになったのは、10試合ぶりの敗戦に終わった前々節の大宮戦(1●2)から一歩成長したことを感じさせる。
ここ3試合の相手はシーズン途中に監督交代があった大宮と仙台、そしてACL出場でチームを作り切れていない横浜FM。いずれも、鹿島との完成度の面で差があった。ところが大宮には相手にとって最初のチャンスでゴールを決められ、どこか歯車の噛み合わない展開が最後まで続いてしまった。
だが「後ろだけの問題じゃない」(遠藤)と、チーム全体で守備意識を高めたことが、続く2試合で結果となって表れた。攻撃陣が得点できなくとも、鹿島の最終ラインは集中力を切らすことなく、危ない場面では体を張って仙台に流れを引き渡さない。前半終了間際の土居の得点まで、ほとんどチャンスを与えなかった。後半になり運動量が落ち、思うようにセカンドボールが拾えず押し込まれる展開が続いたが、チーム全体の守備意識は衰えなかった。
総失点は『28』と決して少なくないが、実は無失点試合はこれで9試合目。ただ、相手の拙攻に助けられた試合も多く、狙って成し遂げた完封とは言い難かった。しかし、ここ2試合の連続無失点は守備面の確かな手ごたえを感じさせる。昌子と青木のCBが相手FWを封じ続けているのがその大きな要因だ。手堅く戦う術を身に付けたことは、今後の大きな自信となるだろう。(田中 滋)