柏は前節、浦和に1-3で敗れて優勝争いから大きく後退。そうした状況を受け、浦和戦で退場に追いやられたGK菅野は「ACL圏というのは狙える範囲だと思う」と次なる目標へ視線を向けていた。迎えた鳥栖との今節は、結果次第で新たに掲げた3位以内の目標すらも遠くなる試合だ。3位の鳥栖とは、試合前の段階で勝ち点差が『9』。勝てばその差を『6』まで縮められる。だが勝てなかった場合は、これで直接対決を終える以上、ACL出場も厳しくなると言わざるを得ない。また鳥栖にとっても、試合前に上位陣が軒並み勝ち点3を上乗せしていただけに。優勝戦線に残るためには勝利が必須となる一戦だった。
試合が始まると、お互いに攻守の切り替えが速く、守備に転じればすぐにブロックを形成する堅い試合展開になった。柏は前線のコンビネーションから、鳥栖はセットプレーを軸に高さから、それぞれゴールに迫っていくが、なかなか決定機と言えるようなシーンは生まれなかった。後半に入ると、徐々に柏がボールを保持する時間が長くなり、最初のビッグチャンスを作り出す。58分、右サイドからのグラウンダーのクロスをファーで工藤が合わせると、GK林は超えるもDF小林がゴールラインギリギリでクリア。一方、鳥栖も攻撃の機会が少ない中、19分にはキム・ミヌがDFをかわしてミドルシュートを放つが、ポストに嫌われた。
両チームがそれぞれ決定機を逃したあと、次のチャンスを生かしたのは柏だった。25分、レアンドロが中盤からドリブルで持ち運ぶと、工藤へラストパス。フリーの工藤は落ち着いてゴールを決めて待望の先制点を得る。さらに78分には、またもレアンドロからのボールを工藤が決めて、今季初の1試合2得点。これで試合を決定付け、柏は得意のホームで連敗を止めることに成功した。
ACL出場権の獲得へ向け、可能性が特別に大きくなったわけではないが、希望をつなげる勝利ではある。(石原 遼一)