サバイバルマッチを制した大宮。見え始めた道筋
残留争いサバイバルマッチとなったNACKでの一戦は9分、大宮がズラタンのゴールで先手を取った。しかし試合の流れをつかみ切るまでには至らず、徐々に清水ペースになっていった。
大宮が押し込まれた大きな要因は、守備面にある。渋谷監督は橋本を前線で起用した意図について触れる中で、「守備のところで少しセットできなかったので、前半の途中からだんだんと攻め込まれた」と語った。前線からの制限がうまく働かず、清水のウイングバックに良い状態でボールを持たれる。その結果として、「高い位置を取ってきた選手に対して、ゾーンよりも人を意識させられた」(金澤)。家長と泉澤が最終ラインに吸収されてしまい、効果的なカウンターも繰り出せなかった。50分には清水の勢いをはね返し切れず同点弾を許すと、58分にはノヴァコヴィッチに決定的なヘディングシュートを放たれるなど、苦しい展開が続いた。
そこで64分に大宮が打った手は、渡邉の右サイドへの投入だった。渡邉は「かなりスペースがあった。間で受けて、メロ(今井)をうまく使ったり、自由にやれた」と振り返ったように、ギャップを使って自由を謳歌。立て続けにチャンスを生み出すと、最後はCKから家長の決勝点をアシストした。
直接対決の勝利で順位を一つ上げた大宮だが、まだ降格圏は脱していない。内容的にも未成熟な守備組織が機能不全に陥ったことを考えれば、さらなる向上は必須だ。「現状に満足せずにこれを続けて、さらに高めていくということが、自分たちの役目」(金澤)。残り8試合。残留へのシナリオ完成は容易ではないが、道筋は確かに見え始めている。(片村 光博)