大勝のベースにあったのは安定の守備陣。今季初の逆転勝利で4位浮上
4連勝、しかもいずれも無失点――。G大阪は“勝っている”チームではあったが、その対戦相手は広島を除けばいずれも下位に低迷するチームばかり。試合開始前で5位だったG大阪の真なる力を図る上で、格好の相手と言えたのが4位に付ける鳥栖だった。
「優勝を目指す上でここからの3試合が重要」と宇佐美が話していたように、鳥栖から始まる鹿島、川崎Fといった上位との3連戦は、優勝争いに加わる資格があるか否かを問われる大一番だ。そんな状況で、開始早々の10分に米倉がPKを与え、相手を追う展開を強いられる。しかし、25分には西村主審が再び微妙な判定でPKをG大阪にも与えると、「しっかりとGKを見て蹴れた」と遠藤がきっちりと決め、試合を振り出しに戻す。
今季、先制された試合を一度もひっくり返したことがない青黒が、地力を発揮したのは後半だった。「60分ぐらいまでは難しい展開だった」と指揮官も振り返ったように、鳥栖は後半だけで8本のCKを奪取。G大阪は押し込まれる時間帯を強いられながらも、4試合無失点の守備陣が決定機どころか枠内シュートさえほとんど与えない粘り強さでしのぎ切った。
「1-1のスコアになった時点で、0-0のような気持ちで戦っていた」。PKによる失点以外は相手を完璧に封じていた守備陣に応えてそう振り返ったのが、第18節以来得点のなかったパトリックである。66分にはこの日引き気味の位置から再三、好パスを配給していた宇佐美の絶妙なパスに抜け出し、勝ち越し点を叩き出すと、79分にも宇佐美→パトリックのホットラインが開通し、試合を決定付ける3点目が鳥栖のゴールネットを揺らす。
「2失点目が痛かった」と吉田監督が振り返った鳥栖にとって、3点目はもはや致命傷。すでに気持ちの切れたチームに対して、84分にはパトリックがハットトリックを完成させ、4-1で勝ち切った。
今季初の逆転勝ちで5連勝を遂げた大阪の雄は、この日、優勝争いに向けて確かな名乗りを上げた。(下薗 昌記)