大黒柱の中村を欠く横浜FMはシステムを2トップに変更し、ランニングで攻撃を活性化できる大卒2年目の佐藤を2列目の一角に起用した。いずれも「どれだけアグレッシブさを出せるか」(樋口監督)というテーマに基づいた采配で、シンプルに前線へボールを運んで相手ゴールを狙っていく。キープ力を生かして遅攻を実現する中村の不在は、結果的に攻撃をスピーディーに変化させた。佐藤は「縦に行くのは本当に速くなったと思う」と手ごたえを話す。
しかし、結論から言えば、それが最良の結果にはつながらなかった。前後半ともに圧倒的にボールを保持したが、効果的なフィニッシュはほとんどない。90分で放ったシュートはわずかに6本。カウンターとクリスティアーノの個人能力でゴールを狙った甲府のシュート数は5本だった。栗原とともに甲府のカウンターを封じた中澤は「ウチは守っているわけではないのに、守っている甲府と同じくらいのシュートしか打てていないのは問題」と厳しく指摘した。
現有戦力でのベストを尽くした横浜FMだが、結果は付いてこなかった。「最後までやり切ることができなかった」という指揮官の言葉は、甲府の守備力の高さをあらためて印象付けるモノだった。(藤井 雅彦)