Feature 特集

名波効果とこれからの磐田の課題/FOCUS 1

2014/10/1 14:50

キャプテンマークを託された前田



巧みな働きかけで“重鎮たち”をくすぐる

 初陣を勝利で飾った名波ジュビロ。新指揮官はわずか2日の準備期間でどんなアプローチを見せたのか。

 とりわけ磐田の“重鎮”―キャリアがあり、ひとクセある―である前田、駒野、伊野波への働きかけは見事だった。新人時代から知る前田にはあえて重圧を掛けた。「ゴールでチームを引っ張ってほしいがそれだけでは足りない」と松井に代わりゲーム主将に指名。人一倍強い責任感を持つエースを刺激した。彼の性格をよく理解しているからこそ、「いい形で打たないと入らないと思っているのかもしれない」と見て、積極的にシュートを打つようにアドバイスした。試合後、前田は「監督が代わって初めての試合だったし、みんな絶対に勝ちたいという気持ちだった」と心境を語っている。

 また、前体制で先発を外れていた駒野、伊野波に対しては「どう前向きに持っていくかがポイントだった」(同監督)。まずは明るく接した。試合前日のシュート練習で駒野がクロスをミスすると「40点!(笑)」と鋭くツッコミ、いいボールを上げると「いまのは95点!(笑)」と褒めた。伊野波には試合前日に『楽しめ!』と声をかけている。

 無論、戦術面でできることは限られていた。先制点の場面を例に挙げ、「やりたいシュートシーンというのはああいった形かもしれない。ただ、そこまで手が回らなかった」。やはり勝因の一つはメンタル面。指揮官の言葉を借りれば『くすぐり方』である。短期間で選手たちのハートに火をつけて見せた。(文・南間 健治)

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