2季目を迎えたトニーニョ・セレーゾ監督のチーム作りがいま花開こうとしている。昨季1年のベースアップと今季半年の試合経験に、中断期間の徹底した走り込みが加わり若きチームはシーズン当初とまったく違う姿を見せるようになった。
それは地道な作業の連続を抜きにして語ることはできない。ときに3時間を超える練習を選手たちに課してきた。攻撃であればゴール前の崩し方を何度も何度も繰り返し、守備であればゴール前のクリアを何度も何度も繰り返した。およそ、プロでは考えられない基礎練習に徹底して取り組み、その練習を最後まで自分で指導する熱心さは、経験不足の若い選手に確かな自信を与えた。時が満ちればベースを身に付けた若鹿たちを実戦で起用し、失敗を重ねながら成長させる。その軌跡がいまの順位と言えるだろう。
とはいえ、後半戦で顕著なのは運動量だ。それまでの積み重ねに体が順応し動けるようになるのは、セレーゾ政権下ではよくあること。20歳前後の選手が多い現在のチーム状況であれば、球際の激しさと運動量が武器となるのは必然。試合経験を積み攻守において最適な距離感がつかめるようになると、カウンターに特化した練習を繰り返さずともいつの間にか相手を置き去りにできていた。
さらに、忘れてはならないのがダヴィの変身ぶり。自分のスタイルを変えてでもチームに馴染もうと必死に取り組み、周りを生かすプレーを覚え始めた。時間はかかったが土居を意識する時間は着実に増えている。
組織として荒削りな部分は多く、失点も少なくない。ただ、豊富な運動量をベースとした勢いは間違いなく他チームに脅威を与えるはずだ。(田中 滋)