■浦和レッズ
下位を相手に弱さを見せた、以前の過ちを繰り返さないために
凄まじい熱気だった。徳島戦を3日後に控えた2日のトレーニング内、3対2や3種類の攻撃パターンを繰り返す3対3で体力的な負荷を掛けてから行われたハーフコートゲーム(横幅はペナルティーエリア)。その雰囲気は、明らかに普段と違った。
ゲームに入る前から、ペトロヴィッチ監督はボールを失った際に素早く攻守のスイッチを切り替えることを強調していた。ゲームが始まっても、レギュラー組のゴールキックで控え組の守備が遅れるとゲームを止め、「もっと寄せられる。後ろからも『前から行け』と声を掛けろ」と指揮官より指示が与えられた。さらにレギュラー組がボールを失うたびに、大声で攻守の切り替えを促した。ペトロヴィッチ監督の活に呼応するかのように、ピッチ内には選手たちの大声が鳴り響いていた。
今節の相手は最下位の徳島だ。しかし、浦和には下位に弱さを見せた過去がある。ペトロヴィッチ体制となってからも、昨季は9月下旬に残留争いをしていた甲府、湘南と連続で勝利を逃した。そして2012年には柏木が「イヤな思い出」と話す札幌戦があった。当時、上位争いをしていた浦和は降格が決まったばかりの相手にホームで敗れ、優勝が遠のいた。柏木は下位に取りこぼした過去を振り返り、「油断していたつもりはない」としながらも、「大丈夫という気持ちがあったのかもしれない」とした。それが「下位に取りこぼしたときは立ち上がりが悪かったし、決めるべきところで決められなかった」(梅崎)という展開につながっていたのだろう。
その教訓を生かし、選手たちは「周囲に勝って当たり前と思われる試合が一番難しい」と気を引き締める。言葉だけでなく練習を見ても、油断している様子はない。その一方で、プレッシャーを感じる必要もない。これまで勝ってきた試合のようなプレーを見せれば、自ずと結果はついてくるはずだ。(菊地 正典)
■徳島ヴォルティス
橋内、衛藤、福元…。戦線に復帰した彼らとともに、一丸となって勝ち点3を!
徳島は前節・鹿島戦に0-5での大敗を喫し、5連敗。J1残留に向けて苦しい状況が続く。ここ5試合を振り返ると、ミス絡みの失点が多く、特に先制点を許すと苦境に陥る状況が見られる。まずは無失点で耐えながら、粘り強い試合運びをしたい。
そのためには、守備の修正が急務となる。その上で、守備陣には前向きな話題がある。序盤戦、レギュラーとしてチームを支えていた橋内が右足舟状骨疲労骨折のけがを克服。途中出場ながら前節、約4カ月ぶりに公式戦に戻ってきたのだ。対人の強さが特長の橋内だが、チームを鼓舞する精神的な支えとしての役割も大きい。「鹿島戦は3点、4点と取られてガクッとしているのが見えた。気持ちが落ちないように、しっかりやらなければいけないと思ってプレーした」と橋内。苦しい状況でも強い気持ちでプレーできる選手の復帰は、守備の耐性を強めてくれるはずだ。
さらには衛藤も、前節で4試合ぶりの試合復帰を果たした。0-3からの出場ではあったが、前線から積極的にプレッシャーを掛け、戦う姿勢を最後まで見せた。強い気持ちを持った選手の姿勢はチーム全体に波及しており、鹿島戦翌日の広島との練習試合では2-0で勝利を収めている。公式戦ではないとはいえ、勝利から遠ざかっていた中で無失点かつ複数得点と、結果を出せたことは大きな収穫だ。浦和戦ではここ2試合、CBとして起用されていた斉藤が累積警告で出場停止となるが、練習試合では負傷明けの福元がフル出場。復調の兆しを見せ始めた選手たちの活躍が、浦和戦ではカギを握りそうだ。
切羽詰まった状況では、攻守のかみ合わせも気になるところ。それでも、福元はこう話す。「約束事がある中でも、いろいろな考え方はあると思う。ただ、攻めたい人も守りたい人も勝ちたいという気持ちは同じ」。苦しい状況だからこそ、チーム一丸となって勝ち点3を手にしたい。(柏原 敏)