これが浦和の強み。セットプレーから2発
まるで試練のようだった。
降りしきる雨。水たまりができたピッチ。ボールを蹴れば水しぶきが上がり、ボールがバウンドすれば場所によっては止まり、またある場所ではスピードを上げて伸びる。ドリブルは四隅の限られたスペース以外では難しい状況だった。
前節でC大阪に敗れたあとの一戦であり、そして過去には取りこぼしも少なくなかった下位との対戦と、浦和は戦前から自らの力と成長を試される環境にあったが、そこに極めて劣悪なピッチコンディションが加わった。浦和にとっては“自分たちのサッカー”、すなわち後方からのビルドアップや持ち運び、前線のコンビネーションを出しづらい状況だった。
それでも浦和は序盤から徳島より多くのチャンスを作っていたが、33分、ゴールキックからの展開で裏を取られ、衛藤に流し込まれて先制を許す。悪天候の影響を受けてうまくいかず、一発で失点する。上位が下位を相手に取りこぼす典型的な流れだった。
しかし41分、ペナルティーエリア付近右寄りの位置でFKを得ると、柏木が美しい軌道のキックでゴール。前半のうちに同点に追い付いた。さらに63分にはまたも柏木のFKから李が胸で落とし、那須が押し込んで逆転。流れの中で持ち味を出しにくい環境の中、前節終了時点で15ゴールを生んでいた浦和の強みであるセットプレーから二つのゴールを生み出し、逆転勝利を収めた。
試合前の時点で2位にいた鹿島はG大阪に敗れた。浦和は連敗を避けながら、2位との勝ち点を広げることに成功した。目標へ向けて壁をまた一つ、乗り越えたと言えるだろう。(菊地 正典)