好調時の川崎Fは失点が少ない。良い攻撃が展開できているときは自然と相手のチャンスも減るので、数字としてもそれが表れる。だが、夏明けから相手の川崎F対策に苦しみ、失点の不安が増幅し始めた。
そして5日のJ1前節・新潟戦では0-3という屈辱を味わった。「(自分たちが)チャンスを作れなかった」と登里は嘆くが、相手陣内深くまで押し込むこともままならないような状況で喫した3失点だった。
この状況から立て直す必要がある。そうでなければ今回のG大阪戦で、新潟戦以上の屈辱を味わいかねない。G大阪の躍進を支える宇佐美とパトリックの2トップに対して少しでもスキを見せれば、ゴールを割られてしまう可能性は高い。
パトリックは昨季の川崎Fで思うような結果を残せずにシーズン途中で甲府へと移籍。いまはG大阪で出色の活躍を見せている。古巣戦となる彼のこの試合に懸ける思いは相当なモノだと察する。
「(G大阪はパトリックを)チームで生かそうとしている」(田中)。G大阪で水を得た魚となっているパトリックだが、その“水”を与えているのが宇佐美である。「点も取れるし、チャンスメークもできる彼の存在は大きい」と谷口は警戒心を強め、「(G大阪は)ヤットさん(遠藤)だけではないと証明した。すごく良い選手」と西部は敵ながら賛辞を送る。
G大阪の2トップを封じるには“出し手”としての宇佐美、“受け手”としてパトリックという目線を持って守備に注力することが重要になる。実際、選手たちの言葉からもその意識は感じられ、特にいまの宇佐美に対しては“パサー”としての警戒心が強いようだ。
「ただ、いかにそういう選手たちに左右されずに自分たちがやれるか」(谷口)。結局のところここに落ち着く。 相手を気にし過ぎず、それでいて局面ではしっかりと抑える。容易ではないが、強敵相手にこれを達成すれば、得られるものはとてつもなく大きいはずだ。(竹中 玲央奈)