今季の“走る湘南”にとって、左サイドの三竿のオーバーラップは、チームの一つの象徴でもあり、菊池とのコンビは大きな武器として成長を続けている。アシスト数に関してはリーグトップの『10』を記録。自身は、「まだまだ足りない」と謙虚に語るものの、その左足は多くのチームの脅威となっているに違いない。
ボランチで中核を担った菊地とともに、新人ながら多くの試合に出場してきた三竿は、現状の立場に甘えず、さらに上を目指そうという意識が高い。だからこそ、一試合一試合を大事にする。「目指している場所、J1という舞台で、対等かそれ以上の力を見せて戦っていきたいということを考えると、今季は真剣勝負ができる機会があと7試合しかない」。
そんな三竿にとって、今節の相手・東京Vはユース時代を過ごした場所であり、就任間もない冨樫新監督は、2008年から2年間お世話になった「恩師の一人」でもある。「すごく優しいけれど、その中に厳しさがある。良いアドバイスをたくさんもらったし、ときには厳しくもしてくれた」という恩師との対戦。ここにきて3試合負けなしと調子を上げている東京Vに関しては、「冨樫さんが監督になって、人望も厚いし、当たり前のことを大事にしてくれる人なので、良い方向に進むのではないかと思っていた。いまは選手たちが『冨樫さんのために』となっていると思う」と好調の要因を分析した。
東京Vとの前回対戦では「いつも以上のプレーをしたい」と意気込んだものの、「空回りしてしまった」こともあって、プレーの精度を欠き、自分らしさが出せなかったと悔しさを吐露していた。しかしいまは、多くの経験を積んできたからこそ、縦横無尽に駆け回るレフティーには自信が備わっている。「あのときは、引いた相手を崩せなくて苦戦してしまった。でも、ここ最近は引いた相手に対してもしっかり良い形から得点が奪えているし、いまの自分たちのサッカーをやれれば大丈夫だと思う」と古巣への勝利を誓う。
そして今節の舞台・味スタは、三竿にとって“聖地”でもある。「東京Vのユースにいたときは、いつか味スタでやりたいと思っていたし、その味スタで初めてプレーして、さらに優勝を決められるチャンスがあるのですごく楽しみ」。夢にまで見た味スタのピッチで、湘南の背番号17として躍動する姿を見せ付けたい。(林 遼平)