耐えしのいで、スキを突く。青黒、ホームで2点先行
07年のナビスコカップ決勝で下した相手を、ホームに迎えた第1戦。リーグ屈指の攻撃力を持つ両者のぶつかり合いの中でのG大阪の思惑は、“二兎を追うこと”だった。「ホームで無得点に抑えて勝つことを目指す」(長谷川監督)。リーグ戦でも優勝争いにかかわる強敵との対戦で、第2戦に向けてアドバンテージを得たい西の雄が目指すのは、アウェイゴールを与えない白星という贅沢なミッションだった。
「川崎Fもアウェイゴールは奪いたいはず」と遠藤が警戒したように、序盤から攻勢に出たのは小林と中村という中核の二人を欠く川崎F。開始直後は自陣で劣勢を強いられたG大阪だったが、10分に宇佐美が放った鋭い枠内シュートが流れを一変させた。
苦しい時間帯を耐えしのぎ、一瞬のスキを突くのはいまやG大阪のお家芸。16分、バイタルエリアでボールを持った遠藤が文字どおりのキラーパスで相手最終ラインの背後を突き崩すと、そこに走り込んだ米倉が値千金の先制点を叩き込む。
守りに軸足を置きながらも追加点を奪える潤沢な攻撃力は、この日も健在。「チャンスメークだけで満足するな」と指揮官から活を入れられていた背番号39が、28分に2点目を叩き込んで川崎Fを突き放すと、後半早々の49分にはシンプルな縦パス2本から抜け出したパトリックが、試合を決定付ける3点目を奪う。
「攻撃陣には良い選手がそろっている」(遠藤)と警戒した川崎Fに終盤は劣勢を強いられ、終了間際に痛恨のアウェイゴールを与えたG大阪。“二兎”を得ることはできなかった。ただ、引き分けでも7年ぶりの決勝進出が決まるという絶対的なアドバンテージとともに、等々力での決戦に挑む。(下薗 昌記)