両チームともに連敗中で、この一戦を浮上のきっかけにしたいところだったが、勝利に対してより明確な策と執着心を見せたのは愛媛。立ち上がりからコンパクトフィールドを保って前線から相手にプレッシャーを掛け、動きに鈍さを感じる横浜FCに守備で網をかけると、狙いどおりに中盤でボールが奪い、そこからチャンスにつなげた。すると14分、村上佑のアーリークロスを堀米が頭で合わせて先制。その後も複数の決定機を作り出すなど、前半はほぼ一方的な内容でゲームを折り返した。
エンドが変わると、横浜FCも攻勢に転じる。やや勢いの衰えた愛媛の前線からのプレッシャーを、質の高いパス回しでかわして相手コートでのプレー時間を増やすと、62分にエリア内の混戦から野崎が鮮やかなゴールを決めてゲームを振り出しに戻した。その勢いのまま逆転を狙ったが、「リスク管理ができていなかった」(山口監督)とカウンターで足元をすくわれる。70分、愛媛は前掛かりに攻め入った横浜FCの攻から守への切り替えが遅くなったところを突いて、カウンターを発動。一度クリアされたが堀米が拾ってドリブルで持ち運び、裏へスルーパスを送る。これを受けた河原がエリア内でタメを作ってラストパスを供給すると、ダイレクトで合わせたのは西田。彼が放ったシュートはゴールネットを揺らし、逆転ゴールとなった。終盤には横浜FCにセットプレーなどで圧力を掛けられたが、「相手の得点の半分がセットプレー。そこは集中していた」(林堂)とマンツーマンのマークが甘くなることもなく、逃げ切りに成功した。
横浜FCは後半にポゼッション率を高めたが、押し込んだあとにフィニッシュまで至る形は最後まで見えず。一方、愛媛は相手に主導権を握られる時間帯でも守備面で柔軟性を見せ、さらにボールを奪えば直接的にゴールへ向かう姿勢を見せ続けた。5試合ぶりの勝ち点3は、必然的なモノだった。(松本 隆志)