■セレッソ大阪
沈む中で見いだした展望。優勝への道を進む
今週は、天皇杯準々決勝・千葉戦を戦い終えると、3日後にはJ1第28節・鳥栖戦が控えている。現在、リーグ戦で残留争いにあえぐC大阪にとって、何より大事なのは後者。チームを率いる大熊監督も、「比重はリーグに傾ける。残留が一番の目標」と断言する。ただし、だからといって天皇杯をないがしろにする訳ではない。「あと3つ勝てばタイトルを獲れる」(永井)ことも事実なのだ。「このメンバーでタイトルを獲りたい」(永井)。クラブ20周年の今季、クラブ初のタイトル獲得を目標に掲げた中で、苦しんだリーグ戦のぶんも、という思いは強い。千葉に勝って、天皇杯の頂点へ一歩近付くとともに、リーグ戦へ向けてはずみを付けること。これがC大阪の千葉戦に挑むスタンスだ。オフ明け12日、チームは練習前にミーティングを行い、0-3と完敗したJ1第27節・清水戦の映像を見返し、スタッフと選手間で反省点を共有した。さらに、紅白戦で、修正箇所を実際にピッチで確認。「練習前にミーティングで清水戦の映像を見て、チームとしての課題を共有した。
その後の練習では選手同士でも言い合えていたし、良い緊張感を持った練習ができた」と扇原も話すなど、紅白戦の合間には、時間を止めて監督と選手、または選手同士で話し合う場面も頻繁に見られ、チーム全体で課題修正に取り組んだ。メンバーについては、2試合全体を考慮しての選手起用となるため、先発は不透明。その中で、「(天皇杯は)けがでこれまで使えていなかった選手や2部練を続けている若手にもチャンスはある」という大熊監督の言葉から推察するに、けが明けのフォルランや安藤、若手の秋山らに先発の可能性もありそうだ。(小田 尚史)
■ジェフユナイテッド千葉
勢い付く千葉、柏に続き大物食いを狙う
リーグ戦で内容をともなった連勝を飾り、J1昇格へ向けて勢いを付けつつある千葉。このタイミングで迎える天皇杯準々決勝に過密日程の不安がないといえば嘘になる。だが、関塚監督は「こういう時期に来たら、試合をやりながらコンディションを整えていく」と覚悟を決めている。4回戦・長崎戦(2○1)で好パフォーマンスを披露し、そこからレギュラーの座をつかんだ佐藤勇は、「天皇杯は(優勝の)チャンスがある」と言い切り、「セレッソに勝てばチームとしてもっと勢いが出ると思うし、それがリーグにも良い影響を与えると思う。チームとして勝ちにいきたい」と続けた。厳しい日程の中でも天皇杯という大会を前向きに捉え、リーグ戦にもつなげようという雰囲気がチームにはある。
もちろん、試合に向けての準備も抜かりなく行われている。「サイドの攻防が一つのポイントになる」と見る関塚監督は、13日の練習でサイドからの攻撃を入念に確認。特にSBが高い位置でボールを持った際にはバリエーション豊富な展開と、サイドハーフがシンプルに裏を突いてのクロスから、FWと連動したパス交換まで、熱の入った指導が行われた。左サイドハーフの谷澤は「サイドの局面で勝てれば、自分たちがボールを持てる時間が増えると思う」と語り、サイド制圧に意欲を見せる。クロスに対して絶対的な強さを持つケンペスの存在も心強い。
チーム力の総和で見ればC大阪に分があるのは間違いない。だが、現在の千葉が持つポジティブなパワーを過小評価する必要もない。そのパワーが戦略とうまくかみ合えば、大きなうねりとなってキンチョウスタジアムを呑み込むことも可能だろう。(片村 光博)