Feature 特集

結果からは読み取れない収穫があった

2014/10/17 12:48

ブレない采配を見せたアギーレ監督



大胆と言わざるをえない采配

 0-4と結果だけを見れば、これまで同様、ブラジルに完敗した日本の姿が、シンガポールナショナルスタジアムでも再現された。ブラジルが“勝負をする相手”というより、“経験を積むための格好な教材”となったのは否めない。余談になるが、このスタジアム、外形は『風の谷のナウシカ』に出てくるオームにそっくりである。日本は巨大なオームに呑み込まれた格好になった。

 ただ、これまでのブラジル戦は、ベストメンバーをぶつけた上での玉砕だったが、今回はハビエル・アギーレ監督が試合前日会見で述べたようにジャマイカ戦から先発メンバーを6人も代えて試合に臨んだ。まだ消化し切れているとは言えない[4-3-3]のシステムで、ブラジル相手に田口泰士、森岡亮太、柴崎岳の中盤で臨むとは、あまりにも大胆な起用と言わざるをえない。アルベルト・ザッケローニ前監督を筆頭に過去、ブラジルと対戦した日本の歴代監督たちは、“オベイ=尊敬”の意を持って試合に臨んだが、アギーレ監督にとってはチームの調整と選手の選択の場でしかなかったということだろう。この試合の最大の収穫と言えば、アジア戦略の一環に位置付けられた試合=興行であるにもかかわらず、ブレることなくチーム作りに徹した監督のメンタリティーである。使われなかったフィールドプレーヤーはわずか3人。この数字にも監督の狙いがはっきりと表れている。これで4戦して1勝1分2敗。失点は『8』。中東や、南米、お隣の韓国だったら監督解任の噂が流れてもおかしくない結果ではあるが…。

 選手に目を移すと、2戦連続して先発で起用された酒井高徳と塩谷司は、ブラジル相手にも臆することなく戦うというより、プレーを楽しんでいた印象がファインダーを通して感じられた。太田宏介の速いクロスも、アジアでは大きな武器になるだろう。結果からは読み取れない収穫が、ブラジル戦にはあった。(六川 則夫)

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