■サガン鳥栖
リアクションではなく、自分たちからアクションを
やはり、鳥栖は前への意識を重視すべきだろう。前節、横浜FMに勝利し、上位戦線に踏みとどまった。そしてこの試合は吉田監督就任後、初の完封試合ともなった。鳥栖らしく守備からアグレッシブに行くアプローチが奏功した。吉田監督も「選手たちが風を利用してしっかりアプローチに行こうという話をしていたみたいなので、その状況判断が良かった」と手ごたえを語った。「最近はリアクションになってしまうことが多かったが、自分たちからアクションできたのは良かった」と水沼。持ち味を再認識できたという意味でも価値ある勝利だった。ただ、問題はそれを継続できるか。「続けないといけない。最近はそれができたり、できなかったりになってしまっているのでまずはベースをしっかり出すことが大事」と藤田も語る。
試合間隔が2週間空いたためコンディションに問題を抱えていた丹羽、菊地、播戸といった選手たちは12日の大分との練習試合を回避し、調整に専念。回復に専念できたことはチームにとって大きなプラスになるだろう。離脱者もすべて復帰しており、万全の状態でC大阪戦に臨めそうだ。
タレントが多いC大阪に対してどのような守備のアプローチを取るのかがポイントだが、吉田監督は「試合の中の状況だと思う。前から行ければ自分たちの持ち味が出せる。ただ、G大阪戦(前々節・1●4)みたいにしっかりセットした中でもある程度の時間、リズムを作れるというのは選手たちの中にもあると思う。その使い分けがしっかりできれば」と話す。ただ、やはり前からの意識を持つことが鳥栖らしさを最大限引き出すことにもつながる。アグレッシブな守備からホーム3連勝を目指したい。(杉山 文宣)
■セレッソ大阪
天皇杯でショッキングな敗戦。桜の底力が試される
15日に行われた天皇杯準々決勝は、J2の千葉相手に力負けするショッキングな内容となった。この試合に向けてコンディションを高めていたフォルランとカカウの2トップはシュートすら打てず、チームとしても終盤のパワープレーは不発。試合終了間際には、老獪なボール回しで時間を消費させられた。どちらがJ1クラブか分からぬ試合展開に、試合後のキンチョウスタジアムは大ブーイングに包まれた。メインスタンドからは、「いまのままでは、J2でも勝たれへんぞ」という辛辣な野次も飛んだ。J1第27節の清水戦(0●3)に続き、沈痛な面持ちでミックスゾーンに現れた選手たちだが、これでやるべきことはハッキリした。「リーグ戦での残留だけに目標を絞って、やっていきたい」(長谷川)。このまま“敗者”としてシーズンを終えることは、あってはならない。
鳥栖戦は、前節・清水戦で噴出した課題を修正できるかどうかが勝負のカギを握る。「鳥栖は、トヨくん(豊田)に入れてセカンドを拾ってというサッカー。それで相手に押し込まれたら清水戦の二の舞になる。僕らが怖がってラインを下げてはいけないと思うし、しっかりラインを保ちながら、中盤や前線との距離を短くしたい」と藤本は話す。全体をコンパクトにした上で、守備のスイッチ役としての仕事も求められる杉本は、「鳥栖はロングボールも多いので、ファーストディフェンダーとしての意識はしっかり持ちたい。チームとしては、セカンドボールの意識を高めること。全体で意思統一してやることが大事」と試合をイメージする。天皇杯から中2日。厳しい日程ではあるが、「ベースの部分で負けてはいけない」(大熊監督)。追い込まれた桜の底力が試される。(小田 尚史)