■ジェフユナイテッド千葉
高まりつつある完成度。“最大値”を発揮したい
リーグでは昇格を争う相手との連戦で連勝を収め、天皇杯準々決勝ではC大阪を破ってついにベスト4まで駒を進めた。波に乗っているという表現がピッタリだが、もちろん現在の強みは勢いだけではない。
攻撃では縦への速さを志向しながら、細かなコンビネーションによる攻撃も織り交ぜる。そして守備では攻撃時のリスクマネジメントを改善し、むやみにチャンスを献上することがなくなっている。いずれも基本的な部分だが、それがチーム全体にくまなく浸透してきている。関塚監督の就任から約3カ月が経ち、攻守両面においてチームの完成度が高まっていると言っていいだろう。
リーグ戦が佳境となったこのタイミングで迎える大分戦。2年前からの浅からぬ因縁もあるが、まずは今季初の3連勝で上位にプレッシャーを掛けていきたいところ。勝ち点7差の3位・磐田までは現実的な射程圏に入っている。日程的には不利な一戦だが、いまは誰が出ても遜色のないパフォーマンスを出せている。コンディションも含めて、現在の“最大値”を発揮できるメンバーで臨みたい。(片村 光博)
■大分トリニータ
あの“決戦”を想起させる状況で試される力
「これは決勝じゃない。決戦だ。負けたら準優勝じゃなく、ただの敗者だ」。2年前、J1昇格プレーオフ決勝に臨む選手たちに田坂監督は言った。引き分けでもアウトの一発勝負。タレントぞろいの千葉に終始押し込まれながら耐えに耐えた大分は、86分の林丈統のループシュート一撃で劇的なJ1昇格をつかんだ。
あの“決戦”を再現するかのようなシチュエーションで、大分は今節、千葉と対峙する。リーグ戦6試合を残すものの、現在、勝ち点54の7位。得失点差で6位につける岡山とともに前節の敗戦で千葉に抜かれ、9節ぶりにプレーオフ圏外へと転落した。今節勝利すれば形勢は挽回できるが、敗れれば、シビアな混戦の昇格レースで大きく遅れを取ることになりかねない。
ただ、大分はいま、確かな手ごたえの中にある。本職のボランチから1列上がった末吉のたゆまぬ走りに引っ張られるように、組織が一体感を増した。さらに1トップの林容平が、献身的に前線に強度をもたらす。2年前のこの時期同様、黒子的な存在が輝き始めた。
修羅場をくぐるのは得意だ。果たして“もう一人の林”は、昇格戦線崖っぷちの、新たな救世主となるか。(ひぐらし ひなつ)