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追悼:奥大介 各地で送られたメッセージ

2014/10/22 10:42

19日のJ2第37節・熊本対磐田戦、うまスタ。磐田ゴール裏には「共に戦った8年間 あなたの雄姿は忘れない!ありがとう磐田のレジェンド奥大介」という横断幕が。ベンチには現役時代のユニフォームが掲げられた



 17日、元日本代表の奥大介氏が交通事故で急逝した。これを受け、18日、19日開催のJリーグ各会場では、奥氏が在籍したクラブのサポーター、選手、スタッフなどからさまざまなメッセージが送られた。12年に横浜FC担当として奥氏と親交もあった記者の記事とともに、ここに掲載する。

飾らない振る舞い、情に厚い人柄

 とにかく、情に厚い人だった。Jリーガーとしてはもちろん、日本代表としても活躍した輝かしいキャリアを持ちながら、良い意味でそんなプライドは感じさせない。計算よりも先に情で動く。それが奥大介という人間だった。

 2011年10月から12年12月まで、横浜FCで強化部長を務めた。ただ、人に対して評価を下さなければならない役職を務めるには、奥氏はあまりに優し過ぎた。その人徳、人望ゆえに彼を慕い、横浜FCのユニフォームを着たという選手も少なくない。いまも横浜FCを率いる山口素弘監督をクラブに呼んだのも奥氏であり、山口監督も「二人三脚でサポートしてくれた」と感謝の思いを述べている。

 選手一人ひとりへの思い入れも強かった。ある日、練習を見ながら「それなりの給料をもらって、それなりの環境があって自分がうまいと勘違いしている。若いヤツの中に、J1に行って通用するレベルの選手はいないでしょ。だからこそ、いま、必死にやらないといけない。あとで後悔してほしくない」と熱く語ってくれたことがある。若い選手にうまくなってほしい、プロとして成功させてやりたい。そんな思いを日々、練習を見ながら記者に語ってくれた。

 しかし、シーズンも終盤に差し掛かると、強化部長としてドライな判断を迫られることになる。その時期には「選手に(来季の契約について)伝えるのは本当に辛い。他人の人生を決められるほど自分はえらくない」とこぼしたこともある。情に厚く、実直だからこそ人に慕われたが、そのぶん、契約交渉の際には大きな痛みと苦悩が伴った。2012年限りで横浜FCの強化部長の職を辞任することになったのは、そういった部分も理由の一つだった。

 横浜FCを離れてからは、各種報道や今回の事故など、多方面からクローズアップをされることもあった。だが奥氏に直接関わり、その人間性を知る人たちからすれば、その報道のされ方には歯がゆい思いもあった。筆者もまた記者と取材対象者の関係を超えて奥大介という人間に魅了された一人である。「俺はね、その人の目を見たらそいつが良いヤツかどうか分かるんだよ」。笑顔を見せて語ったその言葉は、そっくりそのまま奥氏に当てはまる。飾ることなく人の心に優しく入り込んでくる。この人のためなら――。そう思わせてくれるのが奥氏の魅力だった。

 亡くなったときにどれだけの人が涙を流してくれるか。それが人生の価値の物差しの一つとしたら、奥大介のためにきっと多くの人が涙を流すだろう。(杉山 文宣/12年横浜FC担当)

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