千葉のパワーに呑み込まれた。それに尽きる。
群馬のゲームプランは間違っていなかった。この日のポイントは、青木孝の左サイド起用だった。谷澤、中村といった千葉の左サイドを警戒した秋葉監督は、通常は右サイドに位置する青木孝の守備を軽減するため逆サイドに配置。攻撃のタクトをふるう背番号7をフリーにした上で、千葉の攻撃を[4-4-2]のブロックで受けてリズムを作っていく。
群馬がギアを上げたのは15分からだ。核弾頭のダニエル・ロビーニョをスペースへと走らせて千葉守備陣を引き付けると、幅を使った攻撃を展開。5位・千葉に対して、真っ向勝負をしかけていく。
先制点はセットプレーから生まれた。53分、古巣相手に好プレーを連発していた青木孝が左CKにファーサイドから飛び込み渾身のヘッド。DFに体を抑え込まれながらも意地でゴールにねじ込んでみせる。群馬にとって、ここまでのゲームは完璧だった。
だが、時間の経過とともにピッチ上に暗雲が立ちこめ始める。
千葉が投入したケンペスのパワフルなプレーにラインを下げられると、ゲームが終盤になるにつれて群馬の布陣全体が間延び。プレスが効かなくなっていく。さらには攻守の切り替えでのパスミスが多発、自分たちの時間を作れないまま押し込まれた。
怪しい予感は的中した。86分、ケンペスに同点ゴールを決められると、ロスタイムにオウンゴールを献上して痛恨の逆転負け。「1-0のままゲームをクローズさせたかったが、最後でプランが崩れた」(秋葉監督)。85分までは奮闘していた群馬だが、終わってみれば、J1昇格を争う千葉の単なる引き立て役に終わってしまった。(藺藤 心)