冷静に、的確に。数的優位の状況を生かして4得点
立ち上がりからロングボールを多用して押し込んだ横浜FCは、相手が退場で一人少なくなった22分以降、ボールを握り直す。その後、両チームは状況に応じて何度かシステム変更を重ねているが、常に起点となっていたのは寺田だった。最終ラインから引き出して即座にスルーパスを入れたり、いいポジションにいる味方にシンプルに付けたり、相手のブロックが崩れそうにないときも絶えずボールを出し入れしながらリズムを維持しつつギャップの予兆を逃さず突いていった。10人の相手との戦いは、時に戦いにくさを感じるものだが、寺田の的確なボールさばきによりそれはかなり緩和されていた。と同時に、守備に追われた山形は消耗し、終盤につれてその足が重くなっていった。
山口素弘監督のベンチワークも落ち着いていた。一人退場後に[5-2-2]で戦った山形が、後半には[5-3-1]とし中盤を厚くする。ほぼノーマークでプレーしていた横浜FCのSBがプレーの制限を受けるようになりカウンターを受けやすくなったが、ここで山口監督は野崎に代えて市村を投入し、[3-4-3]に変更。ワイドに選手を置くとともに、後ろに残った3人でカウンターの起点を抑える役割をよりハッキリさせた。
「失点がちょっとあり納得いかないところはある」としながらも、山口監督は「全般的には非常によくやってくれた」と一人多い状況での戦いを振り返った。3連敗後の2連勝。負傷で長期離脱していた市村と西嶋も公式戦復帰を果たした。「本当にラストスパートで1試合も落とせない試合が続くと思うので、より激しくハードワークして、しっかりコレクティブにみんなでやっていきたい」と話したのは、試合を決定付ける3点目の直接FKを決めた松下年。6位までは勝ち点6差。他力も必要なラスト4試合に挑む。(佐藤 円)