生き残ったのは大分。献身的な男たちが絡んだ劇的決勝点
残り5試合にして勝ち点で並ぶ7位と8位との直接対決は、敗れれば混戦の昇格レースから脱落することを意味していた。この日13時開始のゲームで6位・山形が負けたため、勝てばプレーオフ圏に復帰。一方では9位・札幌が湘南を下しており、勝たなくてはさらに順位を下げることになるという切迫した状況で、生き残りを懸けた一戦は始まった。
負傷者が続出した大分は急遽、5つのポジションで戦力を入れ替えて工面。同じく離脱者が多く、ここ2試合で7失点している岡山も、4人の先発メンバーを刷新して相手の意表を突きつつ、得意のハイプレスを封印して自陣に堅固なブロックを築いた。
主導権を握った大分は、押し込みながらも岡山の牙城を攻めあぐねる。サイドからの崩しやフリーラン、ドリブル、ミドルシュート。さらにはセットプレーでも好機を作るが、いずれも人数をかけて守る岡山の砦を突破できない。対する岡山は、無失点でしのいで折り返すと、自陣からのカウンター狙いに打って出た。鋭いドリブルで持ち上がる関戸や途中投入の押谷が絡んで何度も大分ゴールを脅かすが、紙一重の精度不足で得点には至らない。
このままスコアレスで勝ち点1を分け合い、ともに順位を落とすかと思われた93分、ついに明暗が分かれる。松本怜のスローインを受けた木島のセンタリングを林が落とし、スライディングしてくるDFより一瞬早く、末吉が体を投げ出しながらゴール左隅へと押し込んだ。立ち上がりから体を張り起点となり続けた林と、目を見張るばかりの運動量で地味な役回りを勤勉にこなし続けた末吉。この試合で最も献身的だった2人の絡む劇的な決勝弾が、崖っぷちの大分を再び昇格戦線へと押し上げた。(ひぐらし ひなつ)