徹頭徹尾。最後まで自分たちのスタイルで貫き、J1昇格をつかみ取る
直近5試合で3勝1分1敗の松本と、1勝2分2敗の福岡。両チームの勢いに差はあったが、松本に硬さがなかったと言えば嘘になる。福岡としてもレベスタで歓喜に沸くアウェイチームの姿を見るわけにはいかない。個人能力に優れたアタッカー陣が前へと圧力を掛ける一方、松本は雨に濡れた芝に足をとられる場面が目立つなど、なかなか流れをつかめない。
それでも、一つのプレーが導火線に火を点ける。セットプレーだ。15分、右CKからの流れで連続してシュートを放つ場面を作ると、徐々に“いつもの松本”を取り戻す。セカンドボールこそ福岡に拾われたが、ボールホルダーに厳しいチェックを掛けることで自由を与えず。ボールを奪えば素早く守から攻へと転じ、一気に前線へと運んだ。
前半が終了し、スコアは0-0のまま。北九州は引き分けたが、同時刻で戦う磐田は千葉に1点リード。このままではJ1自動昇格の2位確定は次節へと持ち越しとなる。ハーフタイムに反町監督は「相手の最終ラインと何回も勝負しよう」と指示を出し、松本が攻勢をかけると、それが結実したのは57分。ボールを拾った船山が右サイドに流れながら持ち込み、右足を振り抜く。エースが喉から手が出るほど欲しかった先制弾を挙げ、勢いを手繰り寄せる。
千葉が逆転したという情報が届くが、あくまでも勝って決めたい松本はその後も魅せる。2点目は岩上が前へとしかけると同時に、船山と山本が一気に福岡ゴールへと詰め寄って生まれたモノ。機を見るや攻撃に人数を割く、松本の持ち味を見事に発揮。その後、PKで1点を返されたことを考えると、この得点の意味は大きかった。徹頭徹尾、自分たちのサッカーを貫いた松本が、自分たちで決着をつけた。(多岐 太宿)